論理的な文章を読んでその文脈を理解するには、論理的な概念を示す表現、特に文と文をつなぐ或いは段落と段落をつなぐ『つなぎの表現』を適切に理解する必要があります。

論理的な概念には、『一般論の提示、具体例の提示、列挙、追加、原因・理由、結果・結論、逆接、譲歩、対照・対比』などがありますが、今回はこの中から『譲歩』の表現について解説したいと思います。

譲歩とは

『譲歩』が示す態度は、日本人と英米人で違いがあります。

まずは、その違いについて理解しましょう!

『(日本人にとっての)譲歩』とは、自分の主張の一部または全部をまげて、相手の意見と折り合いをつけることです。

『(英米人にとっての)譲歩』とは、自分の主張にとって都合の悪い事実(相手の意見を含む)を認めた上で,それでもなお自分の主張が正しいと述べることです。

日本人と英米人の『譲歩』の感覚で、相手の意見をいったん認めるという部分は共通ですが、その認めた後に、相手に歩み寄るのが日本人の感覚で、自分の主張を通すのが英米人の感覚になります。

具体例をあげると、次のようになります。

『譲歩』の具体例

日本人にとっての『譲歩』⇒「両親が勉強しろというのも一理あるので、1日10分だけでも勉強しよう」(歩み寄り)

英米人にとっての『譲歩』⇒「両親が勉強しろというのは最もだが、私は勉強よりも音楽制作に時間を使いたい」(主張を通す)

さて、『(英米人にとっての)譲歩』がどういう表現であるか理解できたかと思います。

『(英米人にとっての)譲歩』を表す表現には次のようなものがあります。

日本語では、〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕〔それは全くその通りなのだが、〕〔それはそれとして、〕〔それと同時に、〕〔しかし一方で、〕〔たとえそうでも、〕〔たとえ~だとしても、〕〔そうであるとしても、〕〔~けれども、〕〔けれども、〕〔しかし、〕〔~にもかかわらず、〕などがあります。

英語では、〔admittedly + but〕〔it is true + but〕〔indeed + but〕〔certainly + but〕〔granted + but〕〔of course + but〕〔that’s all very well + but〕〔anyway〕〔anyhow〕〔at the same time〕〔but then〕〔even so〕〔even then〕〔even if ~〕〔for all that〕〔for all ~〕〔however〕〔nevertheless〕〔still〕〔though〕〔although〕〔but〕〔yet〕〔despite ~〕〔in spite of ~〕などがあります。

それでは、英語の『譲歩』を表すそれぞれの表現について詳しく解説したいと思います。

admittedly + but / it is true + but / indeed + but / certainly but / granted + but 〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕

〔admittedly + but〕〔it is true + but〕〔indeed + but〕〔certainly + but〕は〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕という意味を表します。

「なるほど」「確かに」といったん都合の悪い事実や相手の意見を認めつつ、「だが」と自分の主張を通そうとする『譲歩』の表現になります。

〔admittedly + but〕〔it is true + but〕〔indeed + but〕〔certainly + but〕について例文を通して学びましょう。

admittedly + but 〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕
例文〔admittedly + but〕

⑴ Admittedly, the British are a typically European people in many respect, and have a strong individualist tradition. But they have the advantage of being able to combine individualism with the requirements of working in a team.

(なるほど、英国人は多くの点でヨーロッパの典型的な一国民であり、強い個人主義の伝統を持っている。しかし、また英国人は個人主義とチーム作業に必要な資質とを結びつけられるという長所も持っている)

it is true + but 〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕
例文〔it is true + but〕

⑴ It is true that TV has many benefits. But I would say it has weakened the people’s ability to think for themselves.

(確かに、テレビに多くの利点があることは事実だ。だが、私はテレビが人々の自分で考える力を弱めたと思う)

indeed + but 〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕
例文〔indeed + but〕

⑴ Indeed he is a good scholar, but he isn’t good at teaching.

(確かに、彼はすぐれた学者だが、教え方が上手ではない)

certainly + but 〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕
例文〔certainly + but〕

⑴ Certainly for some people, their professional career is equal to personal satisfaction, but for many, work is the way to earn money.

(確かに、一部の人にとっては職業は人としての満足感に等しい、多くの人にとって仕事はお金を得る手段である)

granted + but 〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕
例文〔granted + but〕

⑴ Granted, he is a clever guy, but I am not comfortable with him.

(確かに、彼は賢い男だが、一緒にいて楽しいやつではない)

〔なるほど~だが、〕〔確かに~だが、〕には、他にも、〔no doubt + but〕という表現があります。

of course + but 〔もちろん~だが、〕

〔of course + but〕は〔もちろん~だが、〕という意味を表します。

「もちろん」といったん都合の悪い事実や相手の意見を認めつつ、「だが」と自分の主張を通そうとする『譲歩』の表現になります。

〔of course + but〕について例文を通して学びましょう。

of course + but 〔もちろん~だが、〕
例文〔of course + but〕

⑴ Of course, coffee is not associated with serious health risk, but it is far from healthy.

(もちろん、コーヒーは深刻な健康上の危険と結びつくことはない、健康に良いと言うにはほど遠い)

that’s all very well + but 〔それは全くその通りなのだが、〕

〔that’s all very well + but〕は〔それは全くその通りなのだが、〕という意味を表します。

「それは全くその通り」といったん都合の悪い事実や相手の意見を認めつつ、「だが」と自分の主張を通そうとする『譲歩』の表現になることがあります。

〔that’s all very well + but〕について例文を通して学びましょう。

that’s all very well + but 〔それは全くその通りなのだが、〕
例文〔that’s all very well + but〕

⑴ Improving your home is one of the best investments you can make. That’s all very well, you may say, but what about the money and how do I start going about it?

(家の増改築は最良の投資の一つである。それは全くその通りなのだが、資金はどうするの、どこから手をつけるの、と人は問うかもしれない)

anyway / anyhow 〔それはそれとして、〕

〔anyway / anyhow〕は〔それはそれとして、〕という意味を表します。

「それはそれとして」といったん都合の悪い事実や相手の意見を認めつつ、その後に自分の主張を通そうとする『譲歩』の表現になることがあります。

〔anyway / anyhow〕について例文を通して学びましょう。

anyway / anyhow 〔それはそれとして、〕
例文〔anyway / anyhow〕

⑴ The trouble with you, Bill, is that for all your noisy Labour party views you’re a snob at heart. You want your children to be ladies and gents. But, anyhow, quite apart from the money, you haven’t the personality to be a public man. You’d much better get on with writing that school text-book.

(ビル、あなたの困ったところは、労働党の見解を声高に述べながら、心の底では俗物(=世間的な名誉や利益ばかりを追う人)だってことよ。子ども達には紳士淑女になってほしいんだから。でも、それはそれとしてお金のことを全く別にすれば、あなたは政治家になるような器じゃないわ。あの教科書の執筆を続けてるほうがずっといいのよ)

at the same time 〔それと同時に、〕

〔at the same time〕は〔それと同時に、〕という意味を表します。

「それと同時に」といったん都合の悪い事実や相手の意見を認めつつ、その後に自分の主張を通そうとする『譲歩』の表現になることがあります。

〔at the same time〕について例文を通して学びましょう。

at the same time 〔それと同時に、〕
例文〔at the same time〕

⑴ Yes, I did enjoy it. At the same time, I had a reservation.

(ええ、とても楽しい番組でした。それと同時に、満足できないところが一つありました)

but then 〔しかし一方で、〕

〔but then〕は〔しかし一方で、〕という意味を表します。

「しかし一方で、」は、いったん都合の悪い事実や相手の意見を認めた上で、自分の主張を提示する『譲歩』の表現になることがあります。

〔but then〕について例文を通して学びましょう。

but then 〔しかし一方で、〕
例文〔but then〕

⑴ I know it’s difficult but then I also know I must try.

(それが難しいことは分かっている、しかし一方で、やらざるを得ないことは確かだ)

even so / even then 〔たとえそうでも、〕

even so / even then 〔たとえそうでも、〕

〔even so〕〔even then〕は〔たとえそうでも、〕という意味を表します。

「たとえそう」といったん都合の悪い事実や相手の意見を認めつつ、「でも」と自分の主張を通そうとする『譲歩』の表現になることがあります。

〔even so〕〔even then〕について例文を通して学びましょう。

even so / even then 〔たとえそうでも、〕
例文〔even so / even then〕

⑴ She looks like a very nice person. Even so, I don’t really trust her.

(彼女はとてもいい人のようだ。たとえそうでも、私は彼女を本当に信用しているわけではない)

⑵ Our financial resources will be insufficient. Even then, new taxes should be introduced carefully.

(私たちの財源は不足するようになるだろう。たとえそうでも、新税の導入には慎重になるべきだ)

even if ~ 〔たとえ~だとしても、〕

〔even if ~〕は〔たとえ~だとしても、〕という意味を表します。

「たとえ~だとしても、」は、仮に都合の悪い事実や相手の意見を認めつつも、自分の考えを示すといった『譲歩』の表現になることがあります。

〔even if〕について例文を通して学びましょう。

even if ~ 〔たとえ~だとしても、〕
例文〔even if ~〕

⑴ Even if you have had a regular physical check-up recently, you should still seek a medical opinion.

(たとえあなたが最近定期的な健康診断を受けていたとしても、なお医者の意見を求めるべきだ)

for all that 〔そうであるとしても、〕

〔for all that〕は〔そうであるとしても、〕という意味を表します。

「そうである」といったん都合の悪い事実や相手の意見を認めつつ、「としても」とその後に自分の考えを提示する『譲歩』の表現になることがあります。

〔for all that〕について例文を通して学びましょう。

for all that 〔そうであるとしても、〕
例文〔for all that〕

⑴ There’s plenty of grass here. More than enough for all the animals. But grass, for all that, is not the most easily digested food.

(ここには草がたくさんあります。ここに生息するすべての動物が食べてもまだ余るほどです。しかし、そうであるとしても、草が最も消化しやすい食物というわけではありません)

for all ~  〔~けれども、〕

〔for all ~〕は〔~けれども〕という意味を表します。

「~けれども」自体は単純な逆接の表現ですが、これより前の部分で自分に都合の悪い事実や相手の意見を述べた後、「~けれども」の後に自分の考えを提示すれば『譲歩』の表現になります。

〔for all ~〕について例文を通して学びましょう。

for all ~  〔~けれども、〕
例文〔for all ~〕

⑴ For world trade at large, the EEC’s moves to link their currency exchange rates have helped create an area of stability and promote orderly business conditions. For all its imperfections, the truth is that the world would be less confident, less secure and less prosperous if the Community did not exist.

(世界貿易全体にとって、EECが加盟各国の通貨交換レートを連動させようとする動きは、経済安定地域を創出し、秩序ある商取引条件を促進するのに役立ってきた。EECには欠点があるけれども、もしもこの共同体が存在しなかったら、世界は今ほど自信に満ちておらず、安定も欠き、また反映もしていないというのが真相であろう)

however / nevertheless / still / though / although 〔けれども、〕

〔however〕〔nevertheless〕〔still〕〔though〕〔although〕は〔けれども、〕という意味を表します。

「けれども」自体は単純な逆接の表現ですが、これより前の部分で自分に都合の悪い事実や相手の意見を述べた後、「けれども」の後に自分の考えを提示すれば『譲歩』の表現になります。

〔however〕〔nevertheless〕〔still〕〔though〕〔although〕について例文を通して学びましょう。

however 〔けれども、〕
例文〔however〕

⑴ America is usually described as a society of immigrants. However, the first immigrants were actually not the first people to live there.

(米国はたいてい移民社会として描かれる。けれども、実際には最初の移民たちがそこに住む最初の人間ではなかった)

nevertheless 〔けれども、〕
例文〔nevertheless〕

⑴ The new blackberry preserves the characteristic flavours of the wild blackberry. For gardens, I suppose you could say its great vigour is a point against it has lost none of its thorns in cultivation. Nevertheless, like all cane fruits it has a role to play as an easily-grown hedge for breaking up a garden into compartments in the way that is fashionable now.

(黒イチゴの新種は、野生の黒イチゴの独特の風味を保持している。繁茂しやすく、栽培種であるにもかかわらずとげがあるという点では、庭に植えるには向かないかもしれない。けれども、実のなるつる植物として、今流行している庭を仕切る手軽な生け垣としては、実に有用である)

still 〔けれども、〕
例文〔still〕

⑴ She turned down his marriage proposal twice. Still, he didn’t give up.

(彼女は彼のプロポーズを2度断った。けれども、それでも彼はあきらめなかった)

though 〔けれども、〕
例文〔though〕

⑴ Though these reports are interesting, none of them help to solve the problem.

(これらの報告書は興味深いけれども、どれひとつとして問題解決には役立たない)

although 〔けれども、〕
例文〔although〕

⑴ Although your brain accounts for only 2 percent of your body weight, it consumes 20 percent of all the energy you take in.

(脳は体重の2%を占めるにすぎないけれども、摂取されるエネルギー全体の20%を消費する)

but / yet 〔しかし、〕

〔but〕〔yet〕は〔しかし、〕という意味を表します。

「しかし」自体は単純な逆接の表現ですが、これより前の部分で自分に都合の悪い事実や相手の意見を述べた後、「しかし」の後に自分の考えを提示すれば『譲歩』の表現になります。

〔but〕〔yet〕について例文を通して学びましょう。

however 〔しかし、〕
例文〔but〕

⑴ I was selling drugs, but I didn’t think I was a bad person.

(私は麻薬を売っていた、しかし自分が悪人だとは思っていなかった)

yet 〔しかし、〕
例文〔yet〕

⑵ Migrating birds are believed to have suffered heavy casualties. Even the hardier birds become exhausted and die. Yet the west winds that have accompanied the rain across the Atlantic have brought an exceptional number and variety of American birds very rarely seen in Britain.

(渡り鳥は移動中にかなりの数の犠牲がでるものと信じられていた。比較的丈夫な鳥でさえ疲労困憊して死ぬことがある。しかし雨にともなう大西洋の西風に乗って、イギリスではほとんど見られない、多数の、豊富な種類のアメリカが渡ってきたのである)

despite ~ / in spite of ~ 〔~にもかかわらず、〕

〔despite ~〕〔in spite of ~〕は〔~にもかかわらず、〕という意味を表します。

「~にもかかわらず、」は、いったん都合の悪い事実などを認めた上で、「にもかかわらず」とその後に自分の考えを提示する『譲歩』の表現になることがあります。

〔despite ~〕〔in spite of ~〕について例文を通して学びましょう。

despite ~ 〔~にもかかわらず、〕
例文〔despite ~〕

⑴ He continued to maintain that he did nothing wrong, despite clear evidence to the contrary.

(反対のはっきりとした証拠があるにもかかわらず、彼は何も悪いことはしていないと言い続けた)

in spite of ~ 〔~にもかかわらず、〕
例文〔in spite of ~〕

⑴ In spite of his faults, I still like him.

(彼にいくら欠点があるにもかかわらず、やはり私は彼が好きだ)

以上、英語の『譲歩』の表現・単語(連語)・構文について紹介しました。

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