始めに、前置詞「during」の使い方及び「for」と「in」の違いを説明する前に、前置詞の基本知識を説明します。

前置詞の基礎知識

前置詞は「前に置く詞(ことば)」という名前の通り、何かの前に置くことが意識されます。

その何かとは「名詞」です。つまり、前置詞とは「名詞の前に置く詞(ことば)」になります。ここで前置詞の直後に置かれる「名詞」は「前置詞の目的語」と呼ばれます。

そもそも、なぜ、わざわざ名詞の前に前置詞を置くのでしょうか。

その意図は、他の語を説明(修飾)するためです。「名詞」は形容詞のように単独で他の語を説明(修飾)することができません。「名詞」は前置詞の力を借りることによって、他の語を説明(修飾)することができるようになります

例えば、“a book on the desk (机の上の本)”という表現では「on the desk(前置詞+名詞)」が「book(名詞)」を説明します。

また、“swim in the river (川で泳ぐ)”という表現では「in the river(前置詞+名詞)」が「swim(動詞)」を説明します。

英文法では、名詞を説明(修飾)する語は「形容詞」と呼ばれます。動詞を説明(修飾)する語は「副詞」と呼ばれます。

「前置詞+名詞」はセットで、句(語のかたまり)という単位で呼ぶことができます。

したがって、先ほどの例の“a book on the desk (机の上の本)”の「on the desk(前置詞+名詞)」は「book(名詞)」を説明していて、形容詞と同じ働きをする句なので、「形容詞句」と呼ぶことができます。

“swim in the river (川で泳ぐ)”では「in the river(前置詞+名詞)」が「swim(動詞)」を説明していて、副詞と同じ働きをする句なので、「副詞句」と呼ぶことができます。

つまり、「前置詞+名詞」という語のかたまりは、「形容詞句」あるいは「副詞句」となり、「名詞」あるいは「動詞」を説明(修飾)する働きを行えるようになります。

ちなみに、副詞は動詞修飾が基本ですが、他にも「形容詞」や「自分以外の副詞」、「文全体」についても修飾することが可能です。

このことを考慮すると、「形容詞句」あるいは「副詞句」となる「前置詞+名詞」の語のかたまりは、「名詞」「動詞」「形容詞」「自分以外の副詞」「句/節/文全体」を修飾することができる幅広い修飾機能を持った句であるといえます。

また、形容詞は補語になることができますので、形容詞と同じ働きをする「前置詞+名詞」も同じように補語になることができます。

さて、前置詞の用法についての理解を深めるためには、「前置詞+名詞」という語のかたまりが文中のどの部分を修飾しているか、或いは補語として存在しているのかを捉えることもひとつ重要になりますので、このような視点を大切にして前置詞を使いこなせるように学習していただければと思います。

それでは、本題に移ります。今回は前置詞「during」について解説します。

前置詞「during」の意味と用法

前置詞「during」の用法は1つです。前置詞「during」は時期を表わします。

「during」と似た意味を持つ前置詞には「for」と「in」があります。この3つの前置詞の使われ方には違いがあり、その違いを通して「during」の使い方をはっきりさせたいと思います。

表現の違いに注目すると、「during」と「in」は時期を表わし、「for」は期間を表わします。つまり、時期を表わす「during」と「in」は“When ... ?(いつ?)”という問いに対する答えを表わし、期間を表わす「for」は“How long ... ? (どのくらい?)”という問いに対する答えを表わすという違いがあります。

例えば、“I stayed in London for a week”と言うことはできますが、“I stayed in London during a week”は間違いです。

また、「during」と「in」の違いは、「during」は出来事や特定の時間枠を提示して時期を表わす場合が多く、「in」は時間の単位として年や月、季節などを提示して時期を表わす場合が多いという違いがあります。

前置詞「during」をキーワード化させると次のようになります。

前置詞「during」のキーワード

1. 時期の「during」

それぞれのキーワードについて、例文を確認してみましょう。

キーワード1

1. 時期の「during」

  • 前置詞の目的語に、時期を表わす語句を置き、「(前置詞の目的語)の間に/は」という修飾要素を作ります。

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【例】Farmers are busy during harvest time. (農家は収穫期の間は多忙である。)

【説明】前置詞「during」は、前置詞の目的語「harvest time」とセットで「during harvest time」という副詞句を作り、収穫期という時期を表わしています。

そして、副詞句の「during harvest time」は、形容詞「busy」を修飾しています。

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【例】Ten thousand people visited the theme park during the weekend. (1万人の人が週末の間にそのテーマパークを訪れた。)

【説明】前置詞「during」は、前置詞の目的語「the weekend」とセットで「during the weekend」という副詞句を作り、週末という時期を表わしています。

そして、副詞句の「during the weekend」は、動詞「visited」を修飾しています。

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【例】It’s dangerous to smoke or drink during pregnancy. (妊娠中の喫煙や飲酒は危険である。)

【説明】前置詞「during」は、前置詞の目的語「pregnancy」とセットで「during pregnancy」という副詞句を作り、妊娠中という時期を表わしています。

そして、副詞句の「during pregnancy」は、形容詞「dangerous」を修飾しています。

例文は以上です。

まとめ

前置詞「during」について解説しました。今回学んだことを以下にまとめます。

前置詞「during」の1つのキーワード

1. 時期の「during」

  • 前置詞の目的語に、時期を表わす語句を置き、「(前置詞の目的語)の間に/は」という修飾要素を作ります。

前置詞「during」と「for」「in」の違い

・前置詞「during」は、出来事や特定の時間枠を提示して時期を表わすことが多い

・前置詞「in」は、時間の単位として年や月、季節などを提示して時期を表わすことが多い

・前置詞「for」は、期間を表わす

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