助動詞は表現者の気持ちや態度、認識、思考などを表わすのに用いられます。

したがって、確実に自分を表現したり、確実に相手の表現を受け止めたりするには助動詞の語感を身に付けることが非常に大切となります。

英語の助動詞には「can / could / may / might / must / will / would / shall / should / need / dare / have to / ought to / used to」等があります。

これらの助動詞全ての語感(使用場面)を見に付けることができれば、表現や受容の幅が各段に広がることは間違いないでしょう。

さて、今回は助動詞の「can」の用法や使い方などについて詳しく解説を行いたいと思います。

助動詞「can」は6つのキーワードでほぼ完全な理解が可能です。

助動詞「can」の6つのキーワード

助動詞「can」の6つのキーワードは以下のとおりです。

助動詞「can」の6つのキーワード

1.能力可能の「can」

2.状況可能の「can」

3.認識的可能性の「can」

4.潜在的可能性の「can」

5.許可の「can」

6.感覚状態の「can」

それでは、それぞれのキーワードについて掘り下げていきます。

1.能力可能の「can」

助動詞「can」の最も代表的な使い方です。何かを行うことが能力的に可能であることを助動詞の「can」で言い表すことができます。和訳は「~できる」となります。

早速例文で確認してみましょう。

能力可能の「can」- 例文

⑴ I can play tennis. (私はテニスができる。)

⑵ I can swim. (私は泳げ。)

⑶ Some birds, penguins for example, cannot fly at all. (鳥の中にも例えばペンギンのように、全く飛べない鳥がいる。)

⑷ This car can hold five persons. (この車には5人乗れ。)

例文⑴は、テニスをする能力があることを「can」を使って述べています。

例文⑵は、泳ぐ能力を持っていることを「can」を使って述べています。

例文⑶は、ペンギンには飛ぶ能力がないことを「can」を使って述べています。

例文⑷は、車が機能的に5人乗せることができることを「can」で表現しています。この例文のように、機械などに機能的に備わっている能力についても「can」で言い表すことができます。

2.状況可能の「can」

何かを行うことが周囲の状況から判断して可能であることを助動詞の「can」で言い表すことができます。この場合、能力の有無は問題にしません。和訳は「~できる」となります。

早速例文で確認してみましょう。

状況可能の「can」 - 例文

⑴ You can skate on the lake today. The ice is thick enough. (今日は湖でスケートができます。氷が十分厚く張っているので。)

⑵ We can’t use this car; it’s out of order. (この車は使えません。故障中です。)

⑶ I can’t leave here. I’m really busy now. (ここを離れることができない。今とても忙しいんだ。)

⑷ In soccer, you can’t touch the ball with your hands except goalkeeper. (サッカーでは、ゴールキーパー以外ボールに手を触れることはできない。)

例文⑴は、スケートができる状況が整っていて、スケートを行うことが可能であることを「can」を使って述べています。

例文⑵は、故障という状態によって、車を使うことができない状況にあることを「can」を使って述べています。

例文⑶は、とても忙しくて、今いる場所から離れることができない状況にあることを「can」を使って述べています。

例文⑶は、サッカーのルール上、ゴールキーパー以外はボールに手を触れることができない状況にあることを「can」を使って述べています。

3.認識的可能性の「can」

ある事柄があり得る(可能性がゼロではない)・あり得ない(可能性はゼロである)という表現者の感覚や認識を助動詞の「can」で言い表すことができます。和訳は肯定の場合は「あり得る、起こり得る」、否定の場合は「あり得ない、~のはずがない」となります。

早速例文で確認してみましょう。

認識的可能性の「can」 - 例文

⑴ Even the best doctors can make a mistake. (たとえ名医であってもミスを犯すことがあり得る。)

⑵ The rumor can’t be true. (その噂が本当のはずがない。)

⑶ This answer can’t be right. (この答えは合ってるはずがない。)

例文⑴は、どんな名医であっても、ミスを犯す可能性があることを「can」を使って述べています。

例文⑵は、噂が本当である可能性はないという話者の認識を「can」を使って述べています。

例文⑶は、答えが合っている可能性はないという話者の認識を「can」を使って述べています。

<参考>「~のはずがない」の過去の形について

過去の状況を思い返してあり得ないと表現する際、つまり「~したはずがない」と表現する場合は〔can’t(cannot)〕の後に完了形を続けます。

すなわち〔can’t(cannot) + have +動詞の過去分詞〕となります。

例文

⑴ He can't have done such a thing. (彼がそんなことをしたはずがない。)

⑵ He can't have missed his way ― he's been here several times. (彼が道に迷ったはずがない―彼は何回かここに来たことがあるから)

さて、この〔can’t(cannot) + have +動詞の過去分詞〕のカタチについて、学習者が抱く疑問があります。それは、〔can〕の後は過去形ではなく、なぜ完了形を使うかという疑問です。

この疑問について考察したいと思います。

文法上のルールから考えると、一般助動詞の後は原形が来なければなりません。つまり、動詞の過去形をそのまま助動詞〔can〕の後に置いてしまうと、「助動詞の後には原形が続く」というルールを違反してしまうことになります。したがって、過去形ではなく、助動詞の〔have〕と〔動詞の過去分詞〕を組み合わせた〔have + 過去分詞〕(=つまり完了形)のカタチにして、助動詞〔have〕の原形を〔can〕の後に持ってくることで「助動詞の後には原形が続く」というルールに従ったと考えることができます。

また、時制の観点から考えると、過去の状況を思い返して「~したはずがない」と述べる際、過去の出来事の影響が現在にまで及んでいるため、「単に過去の事実を述べる性質を持つ過去形」よりも「過去の出来事が現在に繋がっているという性質を持つ完了形」を使う方が好ましいと考えることもできます。

考察は以上です。

ちなみに、「~したはずがない」の反対の「~したはずだ(~したに違いない)」と表現する際は、〔can + have + 動詞の過去分詞〕とはしません。助動詞〔can〕ではなく、〔must〕を使って〔must + have + 動詞の過去分詞〕のカタチを使います。

例文

⑴ It must have been very difficult. (それは難しかったに違いない。)

⑵ Damm, I must have left it at home. (くそ、家に置き忘れたに違いない。)

4.潜在的可能性の「can」

潜在的な可能性を述べる際に助動詞の「can」を使うことがあります。和訳は「~になることがある」となります。

「あり得る」という表現とかなり似ていますが、「あり得る」は可能性の有無に焦点があるのに対し、「~になることがある」は潜在的である点に重きを置いています。この2つの訳は、どちらで訳してもよい場合が結構あります。状況に応じて自分の感覚で自在に使い分けできるようにしましょう。

では、早速例文で確認してみましょう。

潜在的可能性の「can」 - 例文

⑴ Even the best doctors can make a mistake. (たとえ名医であってもミスを犯すことがある。)

⑵ A children’s hatred of school can be motivated by a dislike for his teacher. (子供の学校嫌いは、先生に対する嫌悪感が動機となることがある。)

⑶ A pack of little boys can be a real handful sometimes. (小さな男の子が集まると、時々本当に手におえないことがある。)

例文⑴は、どんな名医であっても、ミスを犯す潜在的な可能性があることを「can」を使って述べています。

例文⑵は、先生への嫌悪感が動機となって子どもを学校嫌いにする潜在的な可能性を「can」を使って述べています。

例文⑶は、小さな男の子たちが集まると手に負えなくなる場合があるという潜在的な可能性を「can」を使って述べています。

5.許可の「can」

「~してもいいよ」と許可を行う際に助動詞の「can」が使えます。助動詞「may」も同じく許可の意味を持ちますが、「may」よりも「can」の方が口語としてよく用いられます。

早速例文で確認してみましょう。

許可の「can」 - 例文

⑴ You can go now. (もう行っていいよ。)

⑵ If you’re coming to Japan, you can stay at my apartment. (もし東京に来るのなら、私のアパートに泊まってもいいよ。)

⑶ You can’t smoke in this room. (この部屋でタバコを吸ったらだめ。)

許可の「can」は状況的可能の「can」と通じるところがあり、個人の意思によって相手に「状況的可能」が与えられて、つまり「許可」されると考えることができます。

6.感覚状態の「can」

助動詞の「can」が知覚動詞(see, hear, feel, smell, taste)などと一緒に使われた場合、それらの感覚能力が今まさに発現されている状態を強調して表します。和訳は「~ている」となります。

早速例文で確認してみましょう。

感覚状態の「can」 - 例文

⑴ I can hear a knock at the door. (ドアをノックする音が聞こえている。)

⑵ I hear a knock at the door. (ドアをノックする音が聞こえる。)

⑶ I can see a bird. (鳥が見えている。)

⑷ I see a bird. (鳥が見える。)

例文⑴では、感覚状態の「can」の効果で知覚動詞〔hear(=聞こえる)〕の発現が強調されていることが分かります。

例文⑶では、感覚状態の「can」の効果で知覚動詞〔see(=見える)〕の発現が強調されていることが分かります。

以上までが助動詞「can」の6つのキーワードの解説になります。

次からは、キーワードに挙げた「can」の主要機能から派生して生じた派生機能について紹介したいと思います。

状況可能の「can」から生じた派生機能『依頼』

「状況的に可能であるかどうか」を相手に尋ねることによって、間接的に相手に依頼することができます。「~してくれますか」という訳になります。

依頼の「can」 - 例文

⑴ Can you come to the party?

(あなたがパーティーに来ることは状況的に可能ですか?⇒パーティーに来てくれますか?)

⑵ Can you check on the stock?

(あなたが在庫を調べることは状況的に可能ですか?⇒在庫を調べてくれますか?)

状況可能の「can」から生じた派生機能『提案』

「状況的に可能である」ことを示唆することによって、未来の行動を提案することができます。「~することができる、~はどうですか」という訳になります。

提案の「can」 - 例文

⑴ We can go to Paris next week if you are free.

(もしあなたに時間があれば、私たちは状況的にパリに行くことが可能です。⇒もしあなたに時間があれば、私たちはパリに行くこともできますよ。)

⑵ “We can meet again tomorrow?” “Yes, why not.”

(「私たちは状況的に明日再び会うことが可能です。」「もちろん。」⇒「明日再び会うのはどうですか?」「もちろん。」)

状況可能の「can」から生じた派生機能『申し出』

「状況的に可能であるかどうか」を確認することによって、自分の希望を申し出ることができます。「~してよいですか、~しましょうか」という訳になります。

申し出の「can」 - 例文

⑴ Can I try this on?

(これを試着することは状況的に可能ですか?⇒これを試着してもよいですか?)

⑵ Can I carry your bag?

(あなたの鞄を私が運ぶことは状況的に可能ですか?⇒あなたの鞄を私が運びましょうか?)

まとめ

それでは、学んだことをおさらいしましょう。

助動詞「can」の意味機能(用法)は以下の通りです。

助動詞「can」の6つのキーワード

1.能力可能の「can」 〔和訳〕~できる

2.状況可能の「can」 〔和訳〕~できる

3.認識的可能性の「can」 〔和訳〕あり得る、起こり得る、あり得ない、~のはずがない

4.潜在的可能性の「can」 〔和訳〕~になることがある

5.許可の「can」 〔和訳〕~してもいいよ

6.感覚状態の「can」 〔和訳〕~ている

助動詞「can」の派生した意味機能

「状況可能」の意から派生して「can」は次のような意味機能も持ちます。

『依頼』 〔和訳〕~してくれますか

『提案』 〔和訳〕~することができる、~はどうですか

『申し出』 〔和訳〕~してよいですか、~しましょうか

以上で、助動詞「can」の語感がしっかり身に付けられたかと思います!



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