目次
論理的な文章を書く際、論理的な概念を示す表現、特に文と文をつなぐ或いは段落と段落をつなぐ『つなぎの表現』を適切に使用する必要があります。
論理的な概念には、『一般論の提示、具体例の提示、列挙、追加、原因・理由、結果・結論、逆接、譲歩、対照・対比』などがありますが、今回はこの中から『一般論の提示』の表現について解説したいと思います。
一般論の提示とは
『一般論の提示』とは、世間に広く認められていると考えられる論のことをいいます。
『一般論の提示』の表現には次のようなものがあります。
日本語では、〔一般に〕〔概して〕〔すべての〕〔たいていの〕〔必ず〕〔たいていの場合〕〔普通〕などがあります。
英語では、〔generally〕〔in general〕〔typically〕〔on the whole〕〔as a (general) rule〕〔all in all〕〔all〕〔every〕〔most〕〔always〕〔necessarily〕〔mostly〕〔usually〕〔in most cases〕〔normally〕などがあります。
それでは、『一般論の提示』を表すそれぞれの表現について詳しく解説したいと思います。
generally / in general 〔一般に〕
日本語では〔一般に〕という表現が基本的な一般論の提示の表現として使われます。
英語の場合、〔一般に〕に当てはまる単語(連語)は〔generally〕〔in general〕などがあります。
それでは、〔generally〕〔in general〕について例文を通して学びましょう。
⑴ In those days it was generally believed that the earth was flat.
(当時、地球は平らだと一般的に信じられていた)
⑵ Generally, boys are more active than girls.
(一般的に、男の子のほうが女の子より活発である)
⑶ In the U.S., minorities and immigrants have generally gone into low-paid, unskilled jobs.
(米国では少数民族と移民は一般的に低賃金で特別の訓練を要しない職に就いている)
⑴ In general, Japanese university students don’t study so hard.
(一般的に、日本の大学生はあまり勉強しない)
typically / on the whole / as a (general) rule 〔概して〕
〔typically〕〔on the whole〕〔as a (general) rule〕は〔概して〕という意味を表します。
〔概して〕は、おおまかに全体の傾向を述べる際に用いる表現で、社会一般のおおまかな全体の傾向を述べる場合、それは一般論の提示になります。
それでは、〔typically〕〔on the whole〕〔as a (general) rule〕について例文を通して学びましょう。
⑴ Typically, foreign students study harder than Japanese students.
(概して、留学生は日本の学生よりもよく勉強する)
⑴ On the whole, people miss the opportunity to enjoy leisure.
(概して、人々はレジャーを楽しむ機会を逃す)
⑴ As a rule, however, such attacks have been aimed at causing damage rather than taking life.
(しかしながら、概してそのような攻撃は殺戮のためというよりはむしろ被害を及ぼすのが目的で行われてきた)
⑵ As a general rule, all muscular efforts is enhanced by breathing in as the effort is made.
(概して、全ての筋肉の力はそれを発揮する際に吸い込む呼吸によって高められる)
〔概して〕には、他にも、〔all in all〕という表現があります。
all / every 〔すべての〕
〔all〕〔every〕は〔すべての〕という意味を表します。
〔すべての〕は、「すべての対象において当てはまる」というように、一般論の提示に使われることがあります。
それでは、〔all〕〔every〕について例文を通して学びましょう。
⑴ All pharmacists are bound by the society’s rules of confidentiality.
(すべての薬剤師は、社会の機密保持規定を守らねばならない)
⑴ Every visitor to Georgia is overwhelmed by the kindness, charm, and hospitality of the people.
(ジョージア州へのすべての訪問客が人々の親切、魅力、歓待に圧倒される)
most 〔たいていの〕
〔most〕は〔たいていの〕という意味を表します。
〔たいていの〕は、「たいていの対象において当てはまる」というように、一般論の提示に使われることがあります。
それでは、〔most〕について例文を通して学びましょう。
⑴ Most people do not have to be hospitalized for asthma or pneumonia.
(たいていの人は喘息や肺炎で入院する必要はない)
always / necessarily 〔必ず〕
〔always / necessarily〕は〔必ず〕という意味を表します。
〔必ず〕は、「必ずある状態や結果になる(または、必ずしもある状態や結果にならない)」ことが社会一般に認知されている場合、〔必ず〕を使った表現が一般論の提示になることがあります。
それでは、〔always / necessarily〕について例文を通して学びましょう。
⑴ Colleges are not always geared to the needs of mature students.
(大学は必ずしも社会人学生のニーズを満足させるようなものではない)
⑴ An enlarged prostate does not necessarily mean cancer.
(前立腺が肥大しているからといって必ずしも癌であることにはならない)
mostly / usually 〔たいていの場合〕
〔mostly / usually〕は〔たいていの場合〕という意味を表します。
〔たいていの場合〕は、「たいていの場合ある状態や結果になる」ことが社会一般に認知されている場合、〔たいていの場合〕を使った表現が一般論の提示になることがあります。
それでは、〔mostly / usually〕について例文を通して学びましょう。
⑴ We mostly study for ourselves.
(私たちは、たいていの場合自分のために勉強をする)
⑴ Early diagnosis and treatment can usually prevent blindness.
(失明は、たいていの場合早期の診断と治療で防げる)
⑵ Marriages usually break down as a result of the shortcomings of both partners.
(たいていの場合、結婚生活は双方の欠点が原因で破綻する)
〔たいていの場合〕には、他にも、〔in most cases〕という表現があります。
normally 〔普通〕
〔normally〕は〔普通〕という意味を表します。
〔普通〕は、「社会一般において、ある状況や状態が普通である」というように、一般論の提示に使われることがあります。
それでは、〔normally〕について例文を通して学びましょう。
⑴ In America, people don’t normally admit to the hardness of life.
(アメリカでは普通人々は人生が過酷であると認めない)
以上、英語の『一般論の提示』の表現について紹介しました。