目次
〔what〕に〔ever〕の付いた〔whatever〕の意味や訳し方について分かりやすく解説します。
〔whatever〕は名詞の働きをする節(=名詞節)を作る
〔whatever〕を文の前に置くと、その文全体を名詞のように扱うことができます。
1つの主語と1つの述語動詞を含む文のことを文法用語で『節』といいますので、〔whatever〕が作る名詞の働きをする節のことを『whateverが作る名詞節』と呼ぶことにしましょう。
以下に2つの『whateverが作る名詞節』の例を用意しました。
⑴〚whatever he says〛彼が言うことは何でも
⑵〚whatever faults he has〛彼が持っているどんな欠点でも
この2つの例における〔whatever〕単体の働きを確認しましょう。
⑴の節の中で〔whatever〕は動詞〔says〕の目的語になっていて、「何でも」という意味を示します。
⑵の節の中で〔whatever〕は動詞〔has〕の目的語の〔faults(欠点)〕を修飾(説明)する形容詞になっていて、「どんな~でも」という意味を示します。
このように、〔whatever〕を文の前に置くと、名詞節を作ることができ、その名詞節の中で〔whatever〕は「何でも(=名詞)」または「どんな~でも(=形容詞)」の意味を示します。
そして、その〔whatever〕が作った名詞節は名詞の働き、つまり文の中で主語や目的語などの要素になります。
さて、以上の説明で、『whateverが作る名詞節』について理解できたかと思います。
それでは、『whateverが作る名詞節』について、いくつかの例文を通してさらに理解を深めていきましょう。
『whateverが作る名詞節』の例文
⑴ Whatever you say will be recorded on this disk. (あなたが言うことは何でもこのディスクに録音されます)
⇒〚Whatever you say〛 will be recorded on this disk.
〔whatever〕が作る節〚Whatever you say〛の中で〔whatever〕は動詞〔say〕の目的語になっていて、「何でも」という意味を示します。また、この文〔Whatever you say will be recorded on this disk.〕において名詞節〚Whatever you say〛は主語の働きをしています。
⑵ You can do whatever you like, within reason. (道理にかなった範囲で、あなたは好きなことは何でもしてよい)
⇒You can do 〚whatever you like〛, within reason.
〔whatever〕が作る節〚whatever you like〛の中で〔whatever〕は動詞〔like〕の目的語になっていて、「何でも」という意味を示します。また、この文〔You can do whatever you like, within reason.〕において名詞節〚whatever you like〛は動詞〔do〕の目的語になっています。
⑶ He made a point of not watching whatever television show I was on. (彼は私の出ているどんなテレビ番組も努めて見ないようにしていた)
⇒He made a point of not watching 〚whatever television show I was on.〛
〔whatever〕が作る節〚whatever television show I was on.〛の中で〔whatever〕は名詞〔television show〕を修飾(説明)する形容詞になっていて、「どんな~でも」という意味を示します。また、この文〔He made a point of not watching whatever television show I was on.〕において名詞節〚whatever television show I was on.〛は動詞〔watching〕の目的語になっています。
⑷ Grab whatever ice cream you like. (どんなアイスクリームでもあなたの欲しいものを取りなさい)
⇒Grab 〚whatever ice cream you like.〛
〔whatever〕が作る節〚whatever ice cream you like.〛の中で〔whatever〕は名詞〔ice cream〕を修飾(説明)する形容詞になっていて、「どんな~でも」という意味を示します。また、この文〔Grab whatever ice cream you like.〕において名詞節〚whatever ice cream you like.〛は動詞〔Grab〕の目的語になっています。
例文は以上です。
さて、これまで〔whatever〕は名詞の働きをする節(=名詞節)を作るということを学びましたが、実は〔whatever〕は副詞の働きをする節(=副詞節)を作ることもあります。
〔whatever〕が作る副詞の働きをする節(=副詞節)について解説していきます。
〔whatever〕は副詞の働きをする節(=副詞節)を作る
〔whatever〕を文の前に置くと、その文全体を副詞のように扱うことができます。
1つの主語と1つの述語動詞を含む文のことを文法用語で『節』といいますので、〔whatever〕が作る副詞の働きをする節のことを『whateverが作る副詞節』と呼ぶことにしましょう。
以下に2つの『whateverが作る副詞節』の例を用意しました。
⑴≪whatever he says≫彼が何を言おうとも
⑵≪whatever faults he has≫彼がどんな欠点を持っていようとも
2つの例における〔whatever〕単体の働きを確認しましょう。
⑴の節の中で〔whatever〕は動詞〔says〕の目的語になっていて、「何」という意味を示します。
⑵の節の中で〔whatever〕は動詞〔has〕の目的語の〔faults(欠点)〕を修飾(説明)する形容詞になっていて、「どんな」という意味を示します。
このように、〔whatever〕を文の前に置くと、副詞節を作ることができ、その副詞節の中で〔whatever〕は「何(=名詞)」または「どんな(=形容詞)」の意味を示します。そして、副詞節自体は「~とも(~であっても)」という意味を示します。
そして、その〔whatever〕が作った副詞節は副詞の働き、つまり文の中で他の語や文などに情報(説明)を加える要素になります。
さて、以上の説明で、『whateverが作る副詞節』について理解できたかと思いますが、ここで、『whateverが作る名詞節』と『whateverが作る副詞節』をどうやって見分けるのかという疑問が生じるかと思います。
それでは次に『whateverが作る名詞節』と『whateverが作る副詞節』の見分け方について解説したいと思います。
〔whatever〕が作る名詞節と副詞節の見分け方
〔whatever〕が作る名詞節と副詞節の見分け方は簡単です。
名詞節の判断基準
名詞節は名詞の働きをするので、『〔whatever〕が作る節』が文の中で名詞の働き、つまり①主語になる、②動詞の目的語になる、③前置詞の目的語になる、④補語になる、の4つのどれかの働きをしていれば、『〔whatever〕が作る節』は名詞節であると判断することができます。
また、以上のことから、『〔whatever〕が作る節』が名詞節の場合、文を構成するために必ず必要な要素になるので、もし『〔whatever〕が作る節』を文から取り除いた場合に、その文が成り立たなくなれば、『〔whatever〕が作る節』は名詞節であると判断できます。
副詞節の判断基準
副詞節は副詞の働きをするので、『〔whatever〕が作る節』が文の中で副詞の働き、つまり文の中で他の語や文などに情報(説明)を加える要素としての働きをしていれば、『〔whatever〕が作る節』は副詞節であると判断することができます。
また、以上のことから、『〔whatever〕が作る節』が副詞節の場合、文の中で修飾要素として存在することになり、修飾要素は文を構成するために必ず必要な要素ではないので、もし『〔whatever〕が作る節』を文から取り除いたとしても、その文が成り立っていれば、『〔whatever〕が作る節』は副詞節であると判断できます。
「節」には、
名詞と同じ働きをする「名詞節」と副詞と同じ働きをする「副詞節」の他に、形容詞と同じ働きをする「形容詞節」があります。
「節」は、「節」自体がどこから始まり、どこで終わったのか明確にしなければなりません。
したがって、この始まりと終わりの境目を明確にし、かつ、「節」が名詞、形容詞、副詞のどの働きをしているか明確にする為に、
- 名詞節は節の始まりから終わりを〚〛(=二重四角のカッコ)で囲む 。
- 形容詞節は節の始まりから終わりを⦅⦆(=二重丸のカッコ)で囲む 。
- 副詞節は節の始まりから終わりを≪≫(=二重三角のカッコ)で囲む。
というルールに従い、区別すると分かりやすくなります。
それでは『whateverが作る節』について、それが名詞節であるか、副詞節であるかに注意しながら、いくつかの例文を通してさらに理解を深めていきましょう。
whateverの例文
⑸ The most impressive thing about him is his calm acceptance of whatever comes his way. (彼の最も印象的なところは彼の前に立ちはだかるものは何でも冷静に甘受することだ)
⇒The most impressive thing about him is his calm acceptance of 〚whatever comes his way.〛
〔whatever〕が作る節〚whatever comes his way.〛の中で〔whatever〕は主語になっていて、「何でも」という意味を示します。また、この文〔The most impressive thing about him is his calm acceptance of whatever comes his way.〕において節〚whatever comes his way.〛は前置詞〔of〕の目的語になっています。つまり、名詞節であることが分かります。
⑹ Whatever the circumstances, parents are supposed to know what to do for the best. (どんな状況であっても、親は最善の結果となるにはどうすればいいのか知っているものだ)
⇒〚Whatever the circumstances〛, parents are supposed to know what to do for the best.
この例文では、節が〚Whatever +〔名詞〕〛になっていて、助動詞+動詞〔may + be〕が省略されています。(本来は〚Whatever +〔名詞〕+ may + be 〛)
〔whatever〕が作る節〚Whatever the circumstances〛の中で〔whatever〕は名詞〔the circumstances〕を修飾(説明)する形容詞になっていて、「どんな」という意味を示します。また、この文〔Whatever the circumstances, parents are supposed to know what to do for the best.〕において節〚Whatever the circumstances〛は文〔parents are supposed to know what to do for the best.〕に情報(説明)を加える文になっています。つまり、副詞節であることが分かります。
⑺ The United States will do whatever it can to help Greece. (米国はギリシア支援のためにできることは何でもするだろう)
⇒The United States will do 〚whatever it can to help Greece.〛
この例文では、動詞の重複を避けるために、節〚whatever it can to help Greece.〛の中で助動詞〔can〕の後の動詞〔do〕が省略されています。
〔whatever〕が作る節〚whatever it can to help Greece.〛の中で〔whatever〕は省略された動詞〔do〕の目的語になっていて、「何でも」という意味を示します。また、この文〔The United States will do whatever it can to help Greece.〕において節〚whatever it can to help Greece.〛は動詞〔do〕の目的語になっています。つまり、名詞節であることが分かります。
⑻ Whatever the majority decided I was prepared to go along with. (私は大多数が決めたことは何でも従うもりだった)
⇒〚Whatever the majority decided〛 I was prepared to go along with.
〔whatever〕が作る節〚Whatever the majority decided〛の中で〔whatever〕は省略された動詞〔do〕の目的語になっていて、「何でも」という意味を示します。また、この文〔Whatever the majority decided I was prepared to go along with.〕において節〚Whatever the majority decided〛は前置詞〔with〕の目的語になっています。つまり、名詞節であることが分かります。
⑼ We shall love you whatever happens, Diana. (ダイアナ、何が起こっても私たちはあなたを愛し続ける)
⇒We shall love you 〚whatever happens〛, Diana.
〔whatever〕が作る節〚whatever happens〛の中で〔whatever〕は主語になっていて、「何」という意味を示します。また、この文〔We shall love you whatever happens, Diana.〕において節〚whatever happens〛は文〔We shall love you〕に情報(説明)を加える文になっています。つまり、副詞節であることが分かります。
⑽ I’ll marry you, whatever opposition I get. (私はどんな反対を受けても、あなたと結婚します)
⇒I’ll marry you, 〚whatever opposition I get.〛
〔whatever〕が作る節〚whatever opposition I get.〛の中で〔whatever〕は名詞〔opposition〕を修飾(説明)する形容詞になっていて、「どんな」という意味を示します。また、この文〔We shall love you whatever happens, Diana.〕において節〚whatever opposition I get.〛は文〔I’ll marry you〕に情報(説明)を加える文になっています。つまり、副詞節であることが分かります。
以上、〔whatever〕について解説しました。