まず、第3文型と第4文型の違いについて解説します。

第3文型と第4文型の違い

第3文型と第4文型の違いは動詞が必要とする目的語の数です。第3文型は動詞が目的語を1つ取ります。一方で、第4文型は動詞が目的語を2つ取ります。

したがって、第3文型の動詞の後には目的語が1つ並び、第4文型の動詞の後には目的語が2つ並びます。ちなみに、動詞の目的語になれる品詞は名詞なので、第3文型の動詞の後には名詞が1つ、第4文型の動詞の後には名詞が2つ並ぶことになります。

動詞は通常、主語の動作を言い表します。動詞は、自動詞と他動詞という2つのグループに分けることができ、(完全)自動詞の場合は、動詞単独で主語の動作を言い表しますが、(完全)他動詞の場合は名詞(目的語)とコンビ、トリオを組んで主語の動作を言い表します。第3文型と第4文型はいずれも名詞(目的語)とコンビ、トリオを組んで主語の動作を言い表すので、(完全)他動詞になります。

第3文型について

第3文型の動詞は、1つの名詞(目的語)とコンビを組んで主語の動作を言い表します。また、目的語を取るだけで完全な文を作ることができるため、完全他動詞と呼ばれています。

それでは、具体的な例文で第3文型の動詞を確認してみましょう。

第3文型の例文

He washes his car every Sunday. (彼は毎週彼自身の車を洗う。)

動詞は〔washes〕で動詞の目的語は〔his car〕です。この2つがコンビを組んで〔washes his car〕となり、「彼自身の車を洗う」と主語〔He〕の動作を言い表しています。

第4文型について

第4文型の動詞は、2つの名詞(目的語)とトリオを組んで主語の動作を言い表します。

また、目的語を取るだけで完全な文を作ることができるため、完全他動詞の一種になりますが、特に「誰に」「何を」という2つの目的語を必要とし、基本的には動詞が「誰かに何かを与える」といった働きをするため、授与動詞と呼ばれています。そして、「誰に」に相当する部分を間接目的語(IO)「何を」に相当する部分を直接目的語(DO)と言います。

間接目的語と直接目的語の語順は文法ルール上決まっていて、間接目的語が先で直接目的語は後でなければなりません

それでは、具体的な例文で第4文型の動詞を確認してみましょう。

第4文型の例文

He taught us English last year. (彼は去年英語を私たちに教えた。)

動詞は〔taught〕で動詞の間接目的語は〔us〕、動詞の直接目的語は〔English〕です。この3つがセットになって〔taught us English〕となり、「私たちに英語を教えた」と主語〔He〕の動作を言い表しています。

第3文型と第4文型の違い まとめ

第3文型と第4文型の違いをまとめます。

・第3文型の動詞は、1つの目的語とコンビを組んで主語の動作を言い表す。

・第4文型の動詞は、2つの目的語とトリオを組んで主語の動作を言い表す。

第3文型と第4文型の違いが分かりましたでしょうか。

さて、実はこの第3文型と第4文型はお互いに書き換えが可能です。つまり、第3文型の文を第4文型の文にする、または、第4文型の文を第3文型の文にすることが可能です。

次からはこの書き換えについて説明していきます。

第3文型と第4文型の書き換え

第4文型では、動詞が2つの目的語を伴なって主語の動作を説明していました。

2つの目的語とは、「誰に」の部分に該当する間接目的語と、「何を」の部分に相当する直接目的語です。

第4文型から第3文型に書き換える際には、「誰に」の部分に該当する間接目的語を、動詞から一旦切り離して、動詞の影響下から除外します。すると、動詞の目的語が「何を」に該当する直接目的語1つとなり、第3文型の形が出来上がります。

そして、動詞から切り離した「誰に」に相当する間接目的語は、前置詞の〔to〕〔for〕〔of〕などと組み合わせて、〔to + 誰〕〔for + 誰〕〔of + 誰〕とし、〔前置詞 + 名詞〕の形をつくって副詞句とします。副詞の主な働きは動詞修飾なので、副詞句を作ることによって外から動詞に働きかけるようにします。

これらをふまえてもう一度、第4文型から第3文型への変換を文法的に説明すると、まず第4文型の間接目的語を動詞から切り離して動詞の影響下から外し、これによって動詞の目的語は直接目的語の1つのみになります。そして、動詞から切り離した間接目的語を前置詞と組み合わせて副詞句を作り、副詞句として今度は外側から動詞に働きかけることによって文が成り立ち、結果として目的語を2つ取っていた第4文型が目的語を1つ取る第3文型に書き換えられるということになります。

ちなみに、第4文型から第3文型への書き換えをした場合、文の見た目は変わりますが、意味内容としては特に変わらず同等になります。

それでは、この書き換えについて、具体的な文で確認してみましょう。

第4文型から第3文型への書き換え

<第4文型> He taught us English last year. (彼は去年英語を私たちに教えた。)

            ↓

<第3文型> He taught English to us last year. (彼は去年英語を私たちに教えた。)

例文のように、第4文型の間接目的語〔us〕を動詞から切り離し、動詞の目的語を直接目的語の〔English〕のみとします。そして、間接目的語〔us〕を前置詞〔to〕と組み合わせて〔to us〕という副詞句を作り、副詞句の働きで動詞の〔taught〕を修飾させ、「私たちに教えた」と修飾関係を作れば、第3文型への書き換えが完了です。

第4文型から第3文型への書き換え 前置詞の種類

第4文型から第3文型へ書き換えを行う際に、間接目的語の前に置く前置詞には〔to〕〔for〕〔of〕などがあります。どの前置詞を置くかどうかは動詞の種類によって決まります

それぞれの前置詞の使い分けについて、見ていきましょう。

間接目的語の前に前置詞〔to〕を置く場合

本来の授与動詞としての「与える」とい意味を持つ大部分の授与動詞が、前置詞〔to〕を使います。

<間接目的語の前に〔to〕を置く動詞の例>

give(与える), lend(貸す), hand(手渡す), tell(話す), teach(教える), show(示す), bring(もってくる), read(読む), send(送る), pay(支払う)

例文を確認してみましょう。

to + 間接目的語 の例文

⑴ If I had that book, I would lend it to you. (もし私がその本を持っていたら、あなたに貸してあげるのだが。)

⑵ My aunt sent some books to me yesterday. (私の叔母が昨日、本を数冊私に送った。)

⑶ He handed the book to her. (彼はその本を彼女に手渡した。)

⑷ The waitress brought a glass of water to him. (そのウェイトレスはグラス一杯の水を彼に持ってきた。)

間接目的語の前に前置詞〔for〕を置く場合

「…のために~してやる」という意味の動詞は前置詞に〔for〕を使います。

<間接目的語の前に〔for〕を置く動詞の例>

make(作ってやる), do(してやる), get(求めてやる), find(見つけてやる), choose(選んでやる), buy(買ってやる), cook(料理してやる)

例文を確認してみましょう。

for + 間接目的語 の例文

⑴ Is there anything else I can do for you? (あなたのために私がしてやれることは他にございませんか。)

⑵ She bought an album for me. (彼女はアルバムを私のために買ってくれた。)

⑶ She cooked breakfast for her husband. (彼女は朝食を夫のために料理してやった。)

間接目的語の前に前置詞〔of〕を置く場合

前置詞〔of〕を使う動詞の数は少なく、3語のみです。

<間接目的語の前に〔of〕を置く動詞>

ask(尋ねる), inquire(尋ねる), beg(頼む)

例文を確認してみましょう。

of + 間接目的語 の例文

⑴ I asked a question of him. (私は彼に質問した。)

⑵ I inquired the way of a policeman. (私は警官に道を尋ねた。)

⑶ I beg a favor of you. (私はあなたに手助けを頼みたいのだが。)

前置詞の使い分けがお分かりいただけたかと思います。

さて、これまで第4文型から第3文型への書き換えを学んできましたが、続けて、これに関係のある「第4文型の間接目的語と関係代名詞との関係」についてみていきたいと思います。

関係代名詞に置き換えられない間接目的語

第4文型の間接目的語は、じつはそのまま関係代名詞に置き換えることができません。

通常、目的語を関係代名詞に置き換える場合、置き換わった関係代名詞は節の先頭に移動させなければなりませんが、一方で第4文型である限りは動詞と間接目的語を切り離すことができないという文法上のルールがあります。

したがって、2つのルール「関係代名詞は節の先頭に置かなければならない」「第4文型の動詞と間接目的語は切り離すことができない」がぶつかり、優位性の高い「第4文型の動詞と間接目的語は切り離すことができない」というルールが勝ちます。

そのため、第4文型の間接目的語をそのまま関係代名詞に置き換えることができず、その代替手段として、第3文型へ書き換えた後、前置詞を伴なった間接目的語を関係代名詞に置き換えるという手順が必要となります。

それでは、例文で確認してみましょう。

例文

I handed the clerk the form. (私はその係員に書類を手渡した。)

間接目的語は〔the clerk〕、直接目的語は〔the form〕です。

直接目的語の〔the form〕はそのまま関係代名詞にすることができますので、次のような文を作ることが可能です。

関係代名詞 - 直接目的語

The form ⦅which I handed the clerk⦆ was properly filled in. (私がその係員に手渡した書類は正しく記入されていた。)

間接目的語の〔the clerk〕はそのまま関係代名詞にすることができないので、次の文は誤りです。

関係代名詞 - 間接目的語

✖ The clerk ⦅whom I handed the form⦆ said it was properly filled in. (私がその書類を手渡した係員はその書類が正しく記入されていると言った。)

第4文型の間接目的語の〔the clerk〕を関係代名詞に置き換えたい場合は、まず第4文型を第3文型に書き換え、間接目的語を前置詞と組み合わせて〔前置詞+間接目的語〕という副詞句の一部に変えます。

第4文型 ⇒ 第3文型

I handed the clerk the form. ⇒ I handed the form to the clerk.

第3文型に書き換えたことにより、直接目的語だった〔the form〕はそのまま目的語として残り、間接目的語だった〔the clerk〕は〔to the clerk〕という副詞句の一部となりました。

以上で、第4文型の間接目的語であった〔the clerk〕を関係代名詞に置き換える準備が整いました。関係代名詞に置き換えたのが次の文です。

第3文型 - 関係代名詞

The clerk ⦅to whom I handed the form⦆ said it was properly filled in. (私がその書類を手渡した係員はその書類が正しく記入されていると言った。 )

以上までの説明を図にまとめると、次のようになります。

まとめ 関係代名詞に置き換えられない間接目的語

関係代名詞に置き換えられない第4文型の間接目的語

・第4文型の間接目的語はそのまま関係代名詞に置き換えることができない。

・第4文型の間接目的語を関係代名詞に置き換えたい場合は、第4文型を第3文型へ書き換えた後、前置詞を伴なった間接目的語を関係代名詞に置き換える。

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