助動詞は表現者の気持ちや態度、認識、思考などを表わすのに用いられます。

したがって、確実に自分を表現したり、確実に相手の表現を受け止めたりするには助動詞の語感を身に付けることが非常に大切となります。

英語の助動詞には「can / could / may / might / must / will / would / shall / should / need / dare / have to / ought to / used to」等があります。

これらの助動詞全ての語感(使用場面)を見に付けることができれば、表現や受容の幅が各段に広がることは間違いないでしょう。

さて、今回は助動詞の「will」について詳しく解説を行いたいと思います。「will」は未来を表現する時に用いられる助動詞です。そして「will」には未来を表現する以外にもいくつかの用法があります。

助動詞「will」は3つのキーワードでほぼ完全な理解が可能です。

助動詞「will」の3つのキーワード

助動詞「will」の3つのキーワードは以下のとおりです。

助動詞「will」の3つのキーワード

1.単純未来の「will」

2.意志未来の「will」

3.推量の「will」

それでは、それぞれのキーワードについて掘り下げていきます。

1.単純未来の「will」

助動詞「will」の最も代表的な使い方です。主語や話し手の意志によらずに、自然にその状態になる場合や予定について助動詞の「will」で言い表すことができます。現在でもなく、過去でもなく、未来のことであることをはっきりさせるためにこの「will」を使います。

早速例文で確認してみましょう。

単純未来の「will」- 例文

⑴ I will be eighteen next birthday. (私は次の誕生日で18歳になる。)

⑵ I’m sorry but my father won’t be home tomorrow. (申し訳ないですが、明日私の父は家におりません。)

⑶ John will be in his office tomorrow morning. (ジョンは明日の朝は事務所にいます。)

例文⑴は、18歳になるという未来の出来事を「will」を使って述べています。

例文⑵は、明日に父親が不在であるという未来の出来事を「will」を使って述べています。

例文⑶は、明日の朝にジョンが事務所にいるという未来の出来事を「will」を使って述べています。

2.意志未来の「will」

意志未来の「will」は、話者や主語の意志によって導かれる未来の動作や行動を表わします。

例文で確認してみましょう。

意志未来の「will」 - 例文

⑴ I’ll drive you home. (私が家まで送ってあげるよ。)

⑵ I’ll never speak to him again. (私はもう絶対彼とは口をきかないつもり。)

⑶ When will you pay him back the money? (いつ彼にお金を返すつもりですか?)

例文⑴は、家まで送ってあげるという意志が「will」で表現されています。

例文⑵は、もう絶対に彼と口をきかないという意志が「will」で表現されています。

例文⑶は、いつお金を返すつもりなのかという意志が「will」で表現されています。

3.推量の「will」

推量の「will」は、現在や未来の出来事に対する想像や推測を述べる際に使われます。和訳は「~だろう、~でしょう」になります。

早速例文で確認してみましょう。

推量の「will」 - 例文

⑴ Tomorrow’s weather will be cold and cloudy. (あすの天気は、肌寒く曇りでしょう。)

⑵ In a year or two we’ll have aeroplanes that will be able to go anywhere. (1、2年もすれば、どこでも行くことができる飛行機が現れるだろう。)

⑶ You will be in time if you hurry. (急げば間に合うだろう。)

例文⑴は、助動詞「will」を用いて明日の天気に関する予想が述べられています。

例文⑵は、助動詞「will」を用いてどこでも行くことができる飛行機の出現の予想が述べられています。

例文⑶は、助動詞「will」を用いて急げば間に合うだろうという予想が述べられています。

以上までが助動詞「will」の3つのキーワードの解説になります。

次からは、キーワードに挙げた「will」の主要機能から派生して生じた派生機能について紹介したいと思います。

意志未来の「will」から生じた派生機能『習性・傾向』

人が進んですることは、たばたびしがちになるので、意志未来の「will」が、反復的・習慣的な行動の結果として習性や傾向を表わすように発達しました。和訳は「~するものだ」になります。

では、早速例文で確認してみましょう。

習性・傾向の「will」 - 例文

⑴ Truth will break out. (真実は必ず明らかになるものだ。)

⑵ People will talk. (人々はうわさをするものだ。)

⑶ Oil will float on water. (油は水に浮く傾向がある。)

⑷ She will sit for hours, looking at herself in the mirror. (彼女はよく何時間も、鏡に向かって座っていることがある。)

例文⑴は、助動詞「will」を用いて真実が必ず明らかになるという傾向が表現されています。

例文⑵は、助動詞「will」を用いて人々がうわさをする傾向にあるということが述べられています。

例文⑶は、助動詞「will」を用いて油が水に浮くという傾向があると述べられています。

例文⑷は、助動詞「will」を用いて彼女の行動に関する傾向が述べられています。

意志未来の「will」から生じた派生機能『拒絶固持』

意志未来の「will」は、「not」と一緒に用いることで、意志を否定するような意味になる場合があります。和訳は「どうしても~しない」になります。主語が生物の場合はもちろん、意志を持たない無生物を主語にする場合であっても比喩的に意志の否定が可能です。

早速例文で確認してみましょう。

拒絶固持の「will」 - 例文

⑴ The bag won’t fasten properly. (そのかばんがどうしてもちゃんと締まらない。)

⑵ The toilet won’t flush. (トイレの水が流れない。)

⑶ The baby won’t eat anything. (その赤ん坊は何も食べようとしない。)

例文⑴では、バッグが締まろうとしないという意志を持っているような感覚で「won’t」が用いられています。

例文⑵では、トイレが水を流そうとしないという意志を持っているような感覚で「won’t」が用いられています。

例文⑶では、赤ん坊が何も食べようとしないという意志が「won’t」で表現されています。

意志未来の「will」から生じた派生機能『依頼』

自分が相手にお願いしたいことについて、相手にその「意志があるかどうか」を確認することによって、何かを依頼することができます。「Will you ~?」というカタチで表現し、訳は「~してくれますか?」となります。

早速例文で確認してみましょう。

依頼の「will」 - 例文

⑴ Will you please sign these papers? (これらの資料にサインする意志はありますか?⇒これらの資料にサインしてくれますか?)

⑵ Will you help with the packing? (荷造りを手伝う意志はありますか?⇒荷造りを手伝ってくれますか?)

意志未来の「will」から生じた派生機能『勧誘』

自分が相手に勧めたいことについて、相手にその「意志がないかどうか」を確認することによって、何かを勧誘することができます。「Won’t you ~?」というカタチで表現し、訳は「~しませんか?、~いかがですか?」となります。

早速例文で確認してみましょう。

勧誘の「will」 - 例文

⑴ Won’t you come in and sit down? (中へ入って座らないですか?⇒中へ入って座りませんか?)

⑵ Won’t you have a cup of coffee? (コーヒーを1杯いただきませんか?⇒コーヒーを1杯いかがですか?)

まとめ

それでは、学んだことをおさらいしましょう。

助動詞「will」の意味機能は以下の通りです。

助動詞「will」の3つのキーワード

1.単純未来の「will」

2.意志未来の「will」

3.推量の「will」 〔和訳〕~だろう、~でしょう

助動詞「will」の派生した意味機能

・「意志未来」の意から派生して「will」は次のような意味機能も持ちます。

『習性・傾向』 〔和訳〕~するものだ

『拒絶固持』 〔和訳〕どうしても~しない

『依頼』 〔和訳〕~してくれますか?

『勧誘』 〔和訳〕~しませんか?、~いかがですか?

以上で、助動詞「will」の語感がしっかり身に付けられたかと思います!

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