論理的な文章を書く際、論理的な概念を示す表現、特に文と文をつなぐ或いは段落と段落をつなぐ『つなぎの表現』を適切に使用する必要があります。

論理的な概念には、『一般論の提示、具体例の提示、列挙、追加、原因・理由、結果・結論、逆接、譲歩、対照・対比』などがありますが、今回はこの中から『列挙』の表現について解説したいと思います。

列挙とは

『列挙』とは、一つ一つ数え立てて挙げることをいいます。

もし「理由は3つあります」「メリットは4つあります」などのように関連する内容が複数ある場合、それらを一つ一つ数え立てて挙げる(列挙する)ことによって、読み手にとって非常に読みやすい文章をつくることができます。

列挙の表現には次のようなものがあります。

列挙の表現

1つ目の事柄を述べる際には、〔まず最初に〕または〔第一に〕という表現がよく用いられます。英語で〔まず最初に〕または〔第一に〕を意味する表現には次のようなものがあります。

For a start / In the beginning / To begin with / To start with 〔まず最初に〕

First / Firstly / At first / In the first place / First of all 〔第一に〕

2つ目の事柄を述べる際には、〔第二に〕という表現がよく用いられます。英語で〔第二に〕を意味する表現には次のようなものがあります。

Second / Secondly / In the second place 〔第二に〕

3つ目の事柄を述べる際には、〔第三に〕という表現がよく用いられます。英語で〔第三に〕を意味する表現には次のようなものがあります。

Third / Thirdly 〔第三に〕

最後の1つとなる事柄を述べる際には、〔最後に〕という表現がよく用いられます。英語で〔最後に〕を意味する表現には次のようなものがあります。

Finally / Last / Lastly / Last of all 〔最後に〕

それでは、列挙の表現について例文で確認してみましょう。

列挙に関する例文

例文 1

⑴ First of all, there are not many of them, and secondly, they have little money and, thirdly, they’re hungry.

(第一に、彼らは少数で、第二に、所持金もほとんどなく、第三に、空腹なのです)

例文⑴では列挙の表現として〔First of all(=第一に)〕〔secondly(=第二に)〕〔thirdly(=第三に)〕が使われています。

例文 2

⑵ I know John as a person first and a footballer second.

(私はジョンが第一にひとりの人間であり、第二にフットボール選手であると考えています)

例文⑵では列挙の表現として〔first(=第一に)〕〔second(=第二に)〕が使われています。

例文 3

⑶ This machine has two advantages; first, it is safer and secondly, it is more reliable.

(この機種には2つの利点がある。第一に、より安全で、第二に、より信頼性がある)

例文⑶では列挙の表現として〔first(=第一に)〕〔secondly(=第二に)〕が使われています。

例文 4

⑷ He helped me with my homework first because he wanted to, and second because I asked him to.

(彼が僕の宿題を手伝ってくれたのは第一に彼自身が手伝いたいと思っていたからで、第二に私が手伝ってくれと頼んだからである)

例文⑷では列挙の表現として〔first(=第一に)〕〔second(=第二に)〕が使われています。〔first〕や〔second〕の後に〔because〕を置いて、理由が列挙されています。

例文 5

⑸ In the first place you are not old, John. And in the second place, you are a very strong and appealing man.

(ジョン、第一に君は年寄りではない。第二に、君は非常に強くて魅力的な男だ)

例文⑸では列挙の表現として〔In the first place(=第一に)〕〔in the second place(=第二に)〕が使われています。

例文 6

⑹ There are two reasons against giving the position to him. In the first place, he doesn’t have much experience. In the second place, few people support him.

(彼をその地位につけるのに反対する理由は二つある。第一に、彼はあまり経験を有していない。第二に、彼を支持する人が少ない)

例文⑹では列挙の表現として〔In the first place(=第一に)〕〔In the second place(=第二に)〕が使われています。文章の冒頭で〔There are two reasons against giving the position to him〕と列挙する内容が2つあることが説明されています。

例文 7

⑺ How has the Internet changed our lifestyle? First, it has changed the way we manage information. Second, it has dramatically changed the way we connect with each other. Third, and more profoundly, the Internet has changed the way we present ourselves.

(インターネットはどのように私たちの生活を変えたか?第一に、情報管理の方法を変えた。第二に、人々のつながり方を大きく変えた。第三に、より大きなこととして、インターネットは私たちの自己表現の方法を変えた)

例文⑺では列挙の表現として〔First(=第一に)〕〔Second(=第二に)〕〔Third(=第三に)〕が使われています。

例文 8

⑻ For both the English child and the student of English overseas the traditional approach has been through the grammar book . . . But the traditional books are of limited value . . . Let us look briefly at some of their shortcomings.

 First, they have been far too interested in history and often confused historical statements with statements about the language as it is.

 Secondly, the traditional grammars are almost wholly interested in the written language with scant if any attention to speech.

 Thirdly, grammar books take over quite uncritically categories that are not appropriate to English, almost all of them from Latin.

(英国人の子供と外国の英語学習者の双方にとって従来からの学習方法といえば、それは文法書を利用することであった…だが、従来の文法書の利用価値は限られている…その欠点のいくつかを概観してみよう

 第一に、あまりにも過去にとらわれすぎていて、通時的記述と現今の英語についての記述とをしばしば混同していること。

 第二に、従来の文法書は全くいっていいくらい書き言葉だけに言及しており、話し言葉にはほとんど関心を示していないこと。

 第三に、文法書というものが、英語にはふさわしくない語類区分や文法的区分を、そのほとんどがラテン語から、無批判に引き継いでいることである。)

例文⑻では列挙の表現として〔First(=第一に)〕〔Secondly(=第二に)〕〔Thirdly(=第三に)〕が使われています。

以上の例文を通して列挙の表現についておおまかに理解できたかと思います。

さて、例文の⑴~⑻は、列挙する内容ひとつひとつの重要度や優劣に関係なく、前から順番に列挙するという方法がとられていました。

実は、このような方法とは別に、内容ひとつひとつの重要度や優劣を考慮して列挙する方法もあります。

それでは、次に重要度や優劣を考慮して列挙する方法について、例文を通して学びましょう。

重要度や優劣を考慮して列挙する方法

重要度や優劣を考慮して列挙する場合、例えば次のような表現ができます。

<重要度・優劣で列挙する表現の例 その1>

The best 〔最も望ましいのは〕

The next best 〔次に望ましいのは〕

The very worst 〔最悪なのは〕

例文で確認してみましょう。

例文 9

The best thing that can happen to us is that we catch a bus within the next few minutes. The next best thing is for there to be a bus we can catch even if it means a long wait. The very worst thing that can happen is for the bus to be so full that it doesn’t stop.

(考えられる事態のうち私たちにとって最も望ましいのは、今後数分以内にバスに乗車できることである。次に望ましいのは、たとえ長時間待つにせよ、とにかくバスに乗車できることである。考えられる事態のうち最悪なのは、バスが来ても満員のためここに停車しないことである)

また、次のような表現もできます。

<重要度・優劣で列挙する表現の例 その2>

First (and foremost) 〔まず第一に最も重要なのは、〕

(A) second (great advantage) 〔第二の大きな利点は〕

(A) third (great advantage) 〔第三の大きな利点は〕

例文で確認してみましょう。

例文 10

The date of the events recounted in the Aeneid was early in the twelfth century BC, nearly 1,200 years before Virgil’s own time. What advantage did he gain from choosing such a subject, set in the remote past? First and foremost, he gained a freedom to shape his material to his own wished, as he could not have done with a Roman theme nearer in time, where historical fact would have had limited poetical treatment. A second great advantage was that the events of which he told were contemporary with the Homeric poems, the Iliad and the Odyssey, which had cast their spell on him. A third advantage was that with so antique a theme Virgil could without difficulty introduce Homer’s Olympian deities into his poem.

(叙事詩『アエネーイス』の物語の舞台となっているのは、紀元前十二世紀、つまり、ウェルギリウス時代に先立つ千二百年近くも前のことである。このようなはるか昔に舞台を置いた主題を選ぶことに、どんな利点があったのだろう。まず第一に最も重要なのは、そうすることでウェルギリウスは自分が選んだ題材を思いどおりに料理する自由を得たことである。もしこれが時代的に近いローマ時代の主題であったなら、歴史的事実のために誌的処理に制限が加えられ、主題をこなし切れなかったであろう。第二の大きな利点は、ウェルギリウスの語る物語中の事件は、この詩人を魅了していたホメーロスの二大叙事詩『イーリアス』と『オデュッセイア』と同時代の出来事とされている点である。第三の大きな利点は、古めかしいテーマだったがために、ウェルギリウスはホメーロスの描くオリュンポスの神々を自分の詩作品の中に難なく取り込むことができたことである)

以上の例では、重要なものや優れているものから順に並べています。

重要度や優劣を考慮して列挙する場合、重要なものや優れているものから順に並べていく方法と、その逆で重要でないものや優れていないものから順に並べていく方法があります。

重要でないものや優れていないものから順に並べていく場合、次のような表現ができます。

<重要度・優劣で列挙する表現の例 その3>

Firstly 〔まず最初に〕

More importantly 〔さらに重要なのは〕

Most importantly 〔最も重要なのは〕

また、この他にも〔and better still(=さらに良いのは)〕〔and even better(=なおさら良いのは)〕という表現もありますので、好みや文章の内容に応じて使い分けてください!

以上、英語の『列挙』の表現について紹介しました。

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