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代名詞とは 疑問代名詞とは
代名詞とは、名詞のようにそれ自身が一定した意味をもつのではなく、前後にでてくる名詞の代わりをしてそれを指したり、文中には現れないが周囲の事情からそれと分かるものを指したり、あるいは人や物の名をたずねるときの代わりに用いられる語をいいます。
そして、代名詞のうち疑問をあらわすものを疑問代名詞といいます。
疑問代名詞には〔who〕〔which〕〔what〕があります。
〔who(=だれ)〕は、人物を尋ねるのに用います。
Who is she? (彼女は誰ですか?)
Who did it? (誰がそれをしたのか?)
〔which(=どれ)〕は、ある範囲の中から「だれか一人(どれか一つ)」または「だれか数人(どれかいくつか)」のものを選ぶ場合に用います。
Which travels faster, light or sound? (どちらが速いか、光か音か?)
Which will you have, tea or coffee? (紅茶とコーヒー、どちらを飲みますか?)
〔what(=なに)〕は、物を尋ねるのに用います。
What is the name of that flower? (あの花の名前は何ですか?)
What do you want to do this morning? (今夜何をしたいですか?)
疑問代名詞の位置と語順について
名詞や代名詞は文の中で、①主語になる、②動詞の目的語になる、③前置詞の目的語になる、④補語になる、という4つのどれかの役割を果たします。
疑問代名詞を使って疑問文を作る際、「疑問代名詞を文の先頭に置く」というルールがあります。
通常、主語になる語は文の先頭に置きますので、疑問代名詞が①主語になる場合は特に「疑問代名詞を文の先頭に置く」ルールを意識する必要はありません。
疑問代名詞が主語にならない場合、つまり、疑問代名詞が②動詞の目的語になる、③前置詞の目的語になる、④補語になる場合は、それぞれの役割として置かれるべき元々の位置から疑問代名詞を先頭に移動させなければならないことになります。
さて、普通、疑問文を作りたい場合は、助動詞を文の先頭に置きます。
(疑問文の作り方は下記リンク先で学べます)
疑問代名詞を用いた疑問文を作りたい場合、さらにその助動詞の前に疑問代名詞を持ってくることになります。
疑問代名詞を用いた疑問文の作成手順について、例文で確認してみましょう。
Who broke the window? (誰が窓を割ったのですか?)
疑問代名詞〔who〕は文の主語になっています。
What do you want? (あなたは何を欲しいの?)
疑問代名詞〔what〕は動詞〔want〕の目的語になっています。
What do you work for? (あなたは何のために働くの?)
疑問代名詞〔what〕は前置詞〔for〕の目的語になっています。
Who is she? (彼女は誰ですか?)
疑問代名詞〔who〕は補語になっています。
次に間接疑問文について解説します。
間接疑問文とは
間接疑問文とは、疑問代名詞が作った名詞節がその他の文において、文を構成するひとつの要素(主語・動詞の目的語・前置詞の目的語・補語のどれか)として扱われる場合、その名詞節を間接疑問文と呼びます。
下記に疑問文と間接疑問文を並べます。
【直接話法】
She asked him, “What can I do?” (彼に「私には何ができるのでしょう?」と尋ねた)
【間接話法】
She asked him what she could do. (彼女は自分には何ができるのかを彼に尋ねた)
疑問文は直接話法(=発言者の言葉をそのまま伝える方法)で使われ、間接疑問文は間接話法(=発言者の話した内容を取り入れつつ他の言葉に直して伝える方法)で使われることから、間接疑問文とは、直接話法の疑問文が間接話法になったものと考えることもできます。
間接疑問文は、疑問文のように直接的に疑問を投げかけているのではなく、文のひとつの要素の中に疑問を表している部分が存在しているというのが間接疑問文の本質になります。
続けて、疑問代名詞が作る名詞節について説明します。
疑問代名詞が作る名詞節
文の先頭に疑問代名詞が置かれている場合、その文は名詞節、つまり間接疑問文の資格を得ます。(名詞節とは、名詞の働きをする語のかたまりのことです)
疑問代名詞が文の先頭にあればその文に名詞節(=間接疑問文)の資格が得られるため、疑問代名詞が名詞節の中で主語となっている場合は、疑問代名詞を文の先頭に移動させる必要はなく、そのままの状態で名詞節の資格を持つこととなり、それ以外の場合は疑問代名詞を先頭に移動させる必要が生じます。
そして、作られた間接疑問文は、他の文のひとつの要素として、具体的には、主語・動詞の目的語・前置詞の目的語・補語の4つのどれかとして使われますが、間接疑問文はこの名詞の4つの役割のうち、動詞の目的語になる場合が非常に多いです。
それでは、間接疑問文の作成手順について、例文で確認してみましょう。
I don’t know who painted this picture. (私は誰がこの絵を描いたのか知らない)
疑問代名詞「who」は名詞節(間接疑問文)〚who painted this picture〛の中で主語になっています。
I know what you want to say. (私はあなたの言いたいことが分かります)
疑問代名詞「who」は名詞節(間接疑問文)〚what you want to say〛の中で動詞〔say〕の目的語になっています。
She doesn’t understand what her husband is thinking about. (彼女は夫が何を考えているかよく分からない)
疑問代名詞「who」は名詞節(間接疑問文)〚what her husband is thinking about〛の中で前置詞〔about〕の目的語になっています。
They know who you are. (彼らは君が誰であるかを知っている)
疑問代名詞「who」は名詞節(間接疑問文)〚who you are〛の中で補語になっています。
また、間接疑問文(=名詞節)は動詞の目的語以外にも、主語や前置詞の目的語、補語になることもあります。
例文で確認してみましょう。
What you say is sometimes less important than how you say it. (何を言うかよりもどう言うのかの方が大事なこともある)
間接疑問文〚What you say〛が文全体の主語になっています。
It has a lot to do with who you are. (それは君が誰であるかに大いに関係がある)
間接疑問文〚who you are〛が前置詞〔with〕の目的語になっています。
That’s just what I was looking for. (それはまさに私が探していたものです)
間接疑問文〚what I was looking for〛が補語になっています。
次に間接疑問文を含む疑問文について解説します。
間接疑問文を含む疑問文
ややこしいですが、間接疑問文を含む疑問文が存在します。
間接疑問文を含む疑問文に関しては、疑問代名詞の位置に注意しなければなりません。
- Yes/Noで回答する疑問文の場合、疑問代名詞は名詞節の先頭に置きます。
- Yes/Noで回答しない疑問文(相手に意見を求める疑問文)の場合、疑問代名詞は文の先頭に移動させます。
さっそく例文を確認してみましょう。
Yes/Noで回答する疑問文
Are you in on what she’s thinking? (彼女が何を考えているか知っているかい?)
Do you know who she’s going to marry? (あなたは彼女が誰と結婚するのか知っていますか?)
Yes/Noで回答しない疑問文
Yes/Noで回答しない疑問文(相手に意見を求める疑問文)の場合、疑問代名詞を先頭に持っていきます。
Who do you think will win? (あなたは誰が勝つと思いますか?)
What do you suppose happened next? (あなたは次に何が起こったと思いますか?)
ちなみに、相手に意見を求めるような動詞には次のようなものがあります。
believe(~を信じる) / fear(~を恐れる) / imagine(~を想像する) / suppose(~と思う) / consider(~と考える) / guess(~と思う) / say(~と言う) / think(~と思う) / expect(~と予期する) / hope(~を望む) / suggest(~と提案する) / tell(~と言う)
以上、疑問代名詞について解説しました。