目次
英文法には、動作を行う人や物を主語として扱う能動態と、動作の影響を受ける人や物を主語として扱う受動態という2つの態(文のカタチ)があります。
受動態であることは、助動詞と動詞の語形変化で表現します。
動詞の語形変化(活用)の5つ(原形、現在形、過去形、過去分詞形、ing形)のうち、過去分詞形に助動詞の〔be〕を組み合わせると受動態になります。
〔be助動詞 + 動詞の過去分詞形〕
能動態と受動態の関係 違い
受動態では、動作の影響を受ける人や物を主語とする為、能動態の動詞の目的語に相当する語句が受動態の主語になります。
能動態では、次の順番で語を並べます。
1. 動作を行う人/物(主語)
2. 主語の動作(動詞)
3. 動作の影響を受ける人/物(動詞の目的語)
受動態では、次の順番で語を並べます。
1. 動作の影響を受ける人/物(主語)
2. be助動詞
3. 動作主の動作(動詞[過去分詞形])
4. (by + 動作主)
能動態と受動態の基本5文型
さて、英語には基本5文型という考え方があります。基本5文型とは、文の主要構成要素を主語、動詞、目的語、補語の4つとして考えるものです。
能動態と受動態の5文型を比較すると次のようになります。
能動態の動詞の目的語が受動態では主語として扱われますので、能動態で動詞の目的語をとらない第1文型と第2文型を作る動詞(自動詞)は受動態を作りません。
受動態を作れるのは第3、4、5文型を作る動詞(他動詞)のみです。
そして、受動態で主語になるのは、第3文型、第5文型の目的語と第4文型後の間接目的語あるいは直接目的語のどちらかに相当する語句となります。
受動態と能動態の目的語および補語の数を比較すると、次のようになります。
目的語の数を比較すると、受動態は能動態より1つ少ない数の目的語を持つことになります。これは、能動態の目的語1つが、受動態において主語として扱われるためです。
能動態と受動態の補語の数を比較すると、数の違いはなく、同じです。
次に、能動態と受動態の和訳について比較してみましょう。
能動態と受動態の和訳 比較
基本5文型をもとに、能動態と受動態の和訳を比較したいとおもいます。
受動態では、能動態より目的語が1つ少ないため、能動態と比較して和訳が簡単になります。
第3文型の受動態は、基本的に「SがVされる。」というカタチになります。
第4文型の受動態は、S(主語)が人でO(目的語)が物の場合「SがOを(授与=V)される。」となり、S(主語)が物でO(目的語)が人の場合「SがOに(授与=V)される。」というカタチになります。
第5文型の受動態は、基本的に「SがCに(させられる=V)」というカタチになります。
以上のように、文型によって和訳のカタチが決まっているので、受動態の英文がどの文型であるかを把握できれば簡単に和訳を行うことができます。
文型の見極め方は、語順と品詞に注目すれば簡単です。
文型の見分け方
受動態の基本5文型を品詞で表した場合、次のようになります。
第3文型は、主語になる名詞1つに、動詞1つで構成され、語順は〔1.名詞、2.動詞〕という順番になります。
第4文型は、主語になる名詞と目的語になる名詞で計名詞2つに、動詞1つで構成され、語順は〔1.名詞、2.動詞、3.名詞〕という順番になります。
第5文型は、補語に名詞をとる場合と形容詞をとる場合があり、
補語に名詞をとった場合は、 主語になる名詞と補語になる名詞で計名詞2つに、動詞1つで構成され、語順は〔1.名詞、2.動詞、3.名詞〕という順番になり、見た目が第4文型と全く同じカタチになります。
補語に形容詞をとった場合は、 主語になる名詞1つに、動詞1つ、補語になる形容詞1つで構成され、語順は〔1.名詞、2.動詞、3.形容詞〕という順番になります。
第4文型と補語に名詞を取る第5文型の和訳
第4文型と、補語に名詞を取る第5文型は、語順と構成品詞数が全く同じ(名詞2つに、動詞1つで構成され、語順は〔1.名詞、2.動詞、3.名詞〕という順番)です。
したがって、名詞2つに、動詞1つで構成され、語順が〔1.名詞、2.動詞、3.名詞〕という順番の文については、第4文型の和訳「SがOを(授与=V)される。」「SがOに(授与=V)される。」と第5文型の和訳「SがCに(させられる=V)」のどちらかを当てはめることになりますが、この受動態の第4文型と第5文型の和訳は意味的にほとんど同じ内容「SがOを与えられる≒SがCにさせられる」になります。
したがって、和訳の際に第4文型なのか第5文型なのかをわざわざ明確にする必要はないです。
それでは、これまでの情報をもとに、例文で受動態の和訳を確認してみましょう。
例文集(受動態)
【受動態】The telephone was invented by Graham Bell. (電話はグラハム・ベルによって発明された。)
例文は、主語が〔The telephone〕で動詞(受動態)は〔was invented〕、目的語と補語がないので、第3文型で「SがVされる。」というカタチになります。ちなみに能動態の場合は、“Graham Bell invented the telephone.”となります。
【受動態】The world record was broken by him. (世界記録は彼に破られた。)
例文は、主語が〔The world record〕で動詞(受動態)は〔was broken〕、目的語と補語がないので、第3文型で「SがVされる。」というカタチになります。ちなみに能動態の場合は、“He broke the world record.”となります。
【受動態】He was given a book by the teacher. (彼は先生によって1冊の本を与えられた。)
例文は、主語が〔He〕で動詞(受動態)は〔was given〕、目的語は〔a book〕で補語はありません。したがって、例文は第4文型で、主語が人で目的語が物なので「SがOを(授与=V)される。」というカタチになります。ちなみに能動態の場合は、“The teacher gave him a book.”となります。
【受動態】A book was given him by the teacher. (1冊の本が先生によって彼に与えられた。)
例文は、主語が〔A book〕で動詞(受動態)は〔was given〕、目的語は〔him〕で補語はありません。したがって、例文は第4文型で、主語が物で目的語が人なので「SがOに(授与=V)される。」というカタチになります。ちなみに能動態の場合は、“The teacher gave him a book.”となります。
【受動態】Harold was elected mayor. (ハロルドは市長に選ばれた。)
例文は、主語が〔Harold〕で動詞(受動態)は〔was elected〕、補語は〔mayor〕で目的語はありません。したがって、例文は第5文型で、「SがCに(させられる=V)」というカタチになります。ちなみに能動態の場合は、“People(They) elected Harold mayor.”となります。
【受動態】The house was painted green by John. (その家はジョンの手で緑に塗られた。)
例文は、主語が〔The house〕で動詞(受動態)は〔was painted〕、補語は〔green〕で目的語はありません。したがって、例文は第5文型で、「SがCに(させられる=V)」というカタチになります。ちなみに能動態の場合は、“John painted the house green.”となります。
【受動態】He was advised by the doctor to lose weight. (彼は医者に体重を減らすように忠告された。)
例文は、主語が〔He〕で動詞(受動態)は〔was advised〕、補語は〔to lose weight〕で目的語はありません。したがって、例文は第5文型で、「SがCに(させられる=V)」というカタチになります。ちなみに能動態の場合は、“The doctor advised him to lose weight.”となります。 この例文のように、補語に不定詞句がくると英文の構造がかなり難しくなりますが、このような際にも基本の和訳のカタチを忘れないように注意しましょう。
受動態と時制、進行形、完了形の組合せ
受動態は、be助動詞と動詞の過去分詞形を組み合わせて表しますが、これに過去・現在・未来といった時や、進行中や完了といった動作の状態が加わると、助動詞の数が多くなり、語形変化も複数行われ、文として複雑な形になります。
例えば、未来完了進行形の受動態は、未来を表わす助動詞〔will〕、完了を表わす助動詞〔have〕、進行形を表わす助動詞〔be〕、受動態を表わす助動詞〔be〕というように4つの助動詞がこの順番で並ぶことになります。
そしてさらに、語形変化が加わり、未来を表わす助動詞〔will〕の後は助動詞/動詞の原形を置き、完了を表わす助動詞〔have〕の後は助動詞/動詞の過去分詞形を置き、進行形を表わす助動詞〔be〕の後は助動詞/動詞のing形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
文中に現れるそれぞれの助動詞と語形変化が何を表わしているか、きちんと捉えることができるようにしましょう。
それでは、早速例文で確認してみましょう。
受動態と時制の組合せ
1. 受動態と現在時制の組合せを考えましょう。
The room is cleaned. (部屋は掃除される。)
現在時制の受動態は、受動態を表わす助動詞〔be〕を現在形にし、受動態を表わす助動詞〔be〕の後に動詞の過去分詞形を置きます。
2. 受動態と過去時制の組合せを考えましょう。
The room was cleaned. (部屋は掃除された。)
過去時制の受動態は、受動態を表わす助動詞〔be〕を過去形にし、受動態を表わす助動詞〔be〕の後に動詞の過去分詞形を置きます。
3. 受動態と未来時制の組合せを考えましょう。
The room will be cleaned. (部屋は掃除されるだろう。)
未来時制の受動態は、未来を表わす助動詞〔will〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の2つの助動詞がこの順番で並び、未来を表わす助動詞〔will〕の後に助動詞〔be〕の原形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
進行形の受動態と時制の組合せ
4. 進行形の受動態と現在時制の組合せを考えましょう。
The room is being cleaned. (部屋は掃除されている最中である。/部屋は掃除されつつある。)
現在時制の進行形の受動態は、進行形を表わす助動詞〔be〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の2つの助動詞がこの順番で並び、進行形を表わす助動詞〔be〕を現在形にし、 進行形を表わす助動詞〔be〕の後は助動詞〔be〕のing形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
5. 進行形の受動態と過去時制の組合せを考えましょう。
The room was being cleaned. (部屋は掃除されている最中であった。/部屋は掃除されつつあった。)
過去時制の進行形の受動態は、進行形を表わす助動詞〔be〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の2つの助動詞がこの順番で並び、進行形を表わす助動詞〔be〕を過去形にし、 進行形を表わす助動詞〔be〕の後は助動詞〔be〕のing形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
6. 進行形の受動態と未来時制の組合せを考えましょう。
The room will be being cleaned. (部屋は掃除されている最中だろう。)
未来時制の進行形の受動態は、未来を表わす助動詞〔will〕、進行形を表わす助動詞〔be〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の3つの助動詞がこの順番で並び、未来を表わす助動詞〔will〕の後は助動詞〔be〕の原形を置き、進行形を表わす助動詞〔be〕の後は助動詞〔be〕のing形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
完了形の受動態と時制の組合せ
7. 完了形の受動態と現在時制の組合せを考えましょう。
The room has been cleaned. (部屋が掃除されるのが完了した。)
現在時制の完了形の受動態は、完了を表わす助動詞〔have〕、受動態を表わす助動詞〔be〕というように2つの助動詞がこの順番で並び、完了を表わす助動詞〔have〕を現在形にし、完了を表わす助動詞〔have〕の後は助動詞〔be〕の過去分詞形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
8. 完了形の受動態と過去時制の組合せを考えましょう。
The room had been cleaned. (部屋が掃除されるのが完了していた。)
過去時制の完了形の受動態は、完了を表わす助動詞〔have〕、受動態を表わす助動詞〔be〕というように2つの助動詞がこの順番で並び、完了を表わす助動詞〔have〕を過去形にし、完了を表わす助動詞〔have〕の後は助動詞〔be〕の過去分詞形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
9. 完了形の受動態と未来時制の組合せを考えましょう。
The room will have been cleaned. (部屋が掃除されるのが完了しているだろう。)
未来時制の完了形の受動態は、未来を表わす助動詞〔will〕、完了を表わす助動詞〔have〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の3つの助動詞がこの順番で並び、未来を表わす助動詞〔will〕の後は助動詞〔have〕の原形を置き、完了を表わす助動詞〔have〕の後は助動詞〔be〕の過去分詞形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
完了進行形の受動態と時制の組合せ
10. 完了進行形の受動態と現在時制の組合せを考えましょう。
The room has been being cleaned. (部屋が掃除されている状態が続いている。)
現在時制の完了進行形の受動態は、完了を表わす助動詞〔have〕、進行形を表わす助動詞〔be〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の3つの助動詞がこの順番で並び、完了を表わす助動詞〔have〕を現在形にし、完了を表わす助動詞〔have〕の後は助動詞〔be〕の過去分詞形を置き、進行形を表わす助動詞〔be〕の後は助動詞〔be〕のing形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
11. 完了進行形の受動態と過去時制の組合せを考えましょう。
The room had been being cleaned. (部屋が掃除されている状態が続いていた。)
過去時制の完了進行形の受動態は、完了を表わす助動詞〔have〕、進行形を表わす助動詞〔be〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の3つの助動詞がこの順番で並び、完了を表わす助動詞〔have〕を過去形にし、完了を表わす助動詞〔have〕の後は助動詞〔be〕の過去分詞形を置き、進行形を表わす助動詞〔be〕の後は助動詞〔be〕のing形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
12. 完了進行形の受動態と未来時制の組合せを考えましょう。
The room will have been being cleaned. (部屋が掃除されている状態が続いているだろう。)
未来時制の完了進行形の受動態は、未来を表わす助動詞〔will〕、完了を表わす助動詞〔have〕、進行形を表わす助動詞〔be〕、受動態を表わす助動詞〔be〕の4つの助動詞がこの順番で並び、未来を表わす助動詞〔will〕の後は助動詞〔have〕の原形を置き、完了を表わす助動詞〔have〕の後は助動詞〔be〕の過去分詞形を置き、進行形を表わす助動詞〔be〕の後は助動詞〔be〕のing形を置き、受動態を表わす助動詞〔be〕の後は動詞の過去分詞形を置くことになります。
以上の説明で、それぞれの助動詞と語形変化が何を示しているか、理解できたかと思います。
今回は受動態について詳しく説明しました。受動態は仕組みさえ理解できれば難しくありませんので、仕組みを確実に理解できるように取り組んでくださいね!