目次
動詞の活用は5つあります。
『原形、現在形、過去形、ing形、過去分詞形』の5つです。
現在分詞とは 過去分詞とは
現在分詞とは何でしょう?過去分詞とは何でしょう?
現在分詞とは、「動詞のing形」のことです。
過去分詞とは、「動詞の過去分詞形」のことです。
さて、ここで疑問が生じると思います。
なぜ、動詞が語形変化しただけなのに、「動詞」という名前から「動詞のing形」は「現在分詞」、「動詞の過去分詞形」は「過去分詞」と呼ばれるのでしょうか。
分詞とは、形容詞の働きを兼ねた動詞のことです。
つまり、「現在分詞(動詞のing形)」と「過去分詞(動詞の過去分詞形)」は動詞の働きに加えて形容詞の働きをする語ということになります。
形容詞は、名詞の状態や性質を説明する語です。
したがって、「現在分詞(動詞のing形)」と「過去分詞(動詞の過去分詞形)」は名詞の状態や性質を説明することのできる動詞ということになります。
実は、形容詞の中には、「現在分詞(動詞のing形)」と「過去分詞(動詞の過去分詞形)」が完全に形容詞化したものがあります。
完全に形容詞化したというのは「現在分詞(動詞のing形)」と「過去分詞(動詞の過去分詞形)」が本来有していた動詞としての働きが完全に失われて、完全なる形容詞として使われることをいいます。
完全に形容詞化した現在分詞と過去分詞
さて、「現在分詞」と「過去分詞」を完璧に理解するために、まずは「現在分詞」と「過去分詞」が完全に形容詞化した語について解説したいと思います。
現在分詞が完全に形容詞化した語
「現在分詞」が完全に形容詞化した語には、例えば次のようなものがあります。
「running」(「run」のing形)
動詞「run」のing形である「running」が完全に形容詞として使われることがあります。この場合「絶え間のない」「走るための」等の意味で「a running battle(絶え間のない闘い)」「running shoes(走るための靴)」のように名詞を修飾します。
「working」(「work」のing形)
動詞「work」のing形である「working」が完全に形容詞として使われることがあります。この場合「働いている」「作業用の」等の意味で「working mothers(働いている母親たち)」「working clothes(作業用の服)」のように名詞を修飾します。
過去分詞が完全に形容詞化した語
「過去分詞」が完全に形容詞化した語には、例えば次のようなものがあります。
「written」(「write」の過去分詞形)
動詞「write」の過去分詞形である「written」が完全に形容詞として使われることがあります。この場合「筆記の」等の意味で「a written test(筆記試験)」のように名詞を修飾します。
「grown」(「grow」の過去分詞形)
動詞「grow」の過去分詞形である「grown」が完全に形容詞として使われることがあります。この場合「成長した」等の意味で「a grown man(成人)」のように名詞を修飾します。
以上、「現在分詞」と「過去分詞」が完全に形容詞化した語について紹介しました。
「現在分詞」と「過去分詞」が完全に形容詞化した語が存在することが理解いただけたかと思います。
それでは、本題に戻りましょう。
完全に形容詞化していない、動詞と形容詞の両方の働きを兼ねている「現在分詞」と「過去分詞」について説明したいと思います。
現在分詞と過去分詞の分かりやすい解説
「現在分詞と過去分詞が完全に形容詞化した語」とは違って、「現在分詞」と「過去分詞」は動詞の性質を有しているので、目的語や補語を取ることができます。
この目的語や補語を取ることができるという特徴が「現在分詞」と「過去分詞」を理解するための重要なポイントです。
「現在分詞」と「過去分詞」とはつまり、名詞を修飾するという形容詞の働きを持ちながらも動詞として目的語や補語を取ることができる語ということになります。
では早速ですが、「現在分詞」と「過去分詞」について例で確認しましょう。
⑴ a man beating a drum (ドラムをたたいている男)
⑵ a man standing by the window (その窓の側で立っている男)
例⑴では、現在分詞の「beating」の目的語が「a drum」で「beating a drum」という語群を作って、名詞の「a man」を修飾しています。
例⑵では、現在分詞の「standing」に目的語や補語はありませんが、「standing」を修飾する「by the window」とセットで「standing by the window」という語群を作って、名詞の「a man」を修飾しています。「現在分詞」や「過去分詞」は、実は、このように「現在分詞」や「過去分詞」を修飾する要素と一緒になって語群を作り、その語群全体で名詞を修飾することもあります。
⑴ a man given the award (その賞を与えられた男)
⑵ a man newly come to our town (私たちの町に新しくやってきた男)
⑶ a virus normally transmitted only through body fluids (通常は体液を通してのみ感染するウイルス)
⑷ filters designed to block the passage of the smallest known bacteria (当時知られていた最小の細菌の通過も阻止するように設計されたフィルター)
例⑴では、過去分詞の「given」の目的語が「the award」で「given the award」という語群を作って、名詞の「a man」を修飾しています。
例⑵では、過去分詞の「come」に目的語や補語はありませんが、「come」を修飾する「to our town」とセットで「come to our town」という語群を作って、名詞の「a man」を修飾しています。
例⑶では、過去分詞の「transmitted」に目的語や補語はありませんが、「transmitted」を修飾する「only through body fluids」とセットで「transmitted only through body fluids」という語群を作って、名詞の「a virus」を修飾しています。
例⑷では、過去分詞の「designed」に目的語や補語はありませんが、「designed」を修飾する「to block the passage of the smallest known bacteria」とセットで「designed to block the passage of the smallest known bacteria」という語群を作って、名詞の「filters」を修飾しています。
以上の例を通して、「現在分詞」と「過去分詞」が目的語や補語、その他の修飾要素を伴なって名詞を修飾することがお分かりいただけたと思います。
では、次に「現在分詞」と「過去分詞」の語順について説明します。
現在分詞と過去分詞の語順について
「現在分詞」と「過去分詞」を置く位置について説明します。「現在分詞」と「過去分詞」を置く位置は形容詞と同じです。
形容詞の基本の位置は、形容詞が修飾する名詞の前です。
また、形容詞が他の語と結合して語群を作る際は、名詞の後にその語群を置きます。
「現在分詞」と「過去分詞」を置く位置もこの形容詞と同じ考えで良いですが、純粋な形容詞と比較して「現在分詞」と「過去分詞」は語群を作ることが多いので、名詞の後に来ることが多くなる傾向があります。
(形容詞の解説については、下記リンクをご参考ください。)
次に、「現在分詞」と「過去分詞」が完全に動詞化(純粋に動詞としてのみ機能)する場合について解説したいと思います。
完全に動詞化した現在分詞と過去分詞
「現在分詞」と「過去分詞」は形容詞と動詞の働きを兼ねている語でしたが、形容詞の働きを失って、完全に動詞(純粋な動詞)として使われることがあります。
「現在分詞」と「過去分詞」を純粋な動詞として使うためには「助動詞」の力が必要です。
「現在分詞」と「過去分詞」の前に「助動詞」を置くことで、「助動詞+現在分詞」と「助動詞+過去分詞」のセットで純粋な動詞として使うことが可能です。
実は、この「助動詞+現在分詞」と「助動詞+過去分詞」というカタチは、誰もが知っているあの「進行形」「完了形」「受動態」のことです。
「進行形」(助動詞「be」+ 現在分詞(動詞のing形))
助動詞「be」と「現在分詞(動詞のing形)」を組み合わせると、「be + 現在分詞(動詞のing形)」のカタチで「進行形」を作り、この場合「現在分詞」は助動詞とセットで純粋な動詞として働きます。
「完了形」(助動詞「have」+ 過去分詞(動詞の過去分詞形))
助動詞「have」と「過去分詞(動詞の過去分詞形)」を組み合わせると、「have + 過去分詞(動詞の過去分詞形)」のカタチで「完了形」を作り、この場合「過去分詞」は助動詞とセットで純粋な動詞として働きます。
「受動態」(助動詞「be」+ 過去分詞(動詞の過去分詞形))
助動詞「be」と「過去分詞(動詞の過去分詞形)」を組み合わせると、「be + 過去分詞(動詞の過去分詞形)」のカタチで「受動態」を作り、この場合「過去分詞」は助動詞とセットで純粋な動詞として働きます。
例文でも確認してみましょう。
【進行形】She is walking home. (彼女は歩いて家に帰っているところです。)
【完了形】She has walked a lot. (彼女はたくさん歩きました。)
【受動態】We were walked to the door. (私たちは歩いて玄関まで送ってもらいました。)
ちなみに、純粋な動詞として働く「進行形」「完了形」「受動態」の中の「現在分詞」と「過去分詞」は、前に置いた「助動詞」とセット「助動詞+現在分詞」「助動詞+過去分詞」で、文法用語で「述語動詞」と呼ばれます。
一方、形容詞と動詞の両方の働きを兼ねている「現在分詞」と「過去分詞」は、文法用語で「準動詞」と呼ばれます。
(述語動詞と準動詞の違いについて詳しくは下記リンクをご参考ください。)
以上、助動詞とセットで純粋な動詞として働く「現在分詞」と「過去分詞」について解説しました。
それでは、形容詞と動詞の両方の働きを兼ねている「準動詞」としての「現在分詞」と「過去分詞」に話を戻したいと思います。
「準動詞」としての「現在分詞」と「過去分詞」の意味についてみていきたいと思います。
現在分詞と過去分詞の意味について
名詞を修飾する働きをする準動詞の「現在分詞」と「過去分詞」の意味は、「進行形」「完了形」「受動態」を意識すれば簡単です。
「現在分詞(動詞のing形)」の意味は、
本来の動詞の意味に「進行」の意味が加わった「~している(進行)」「~しつつある(進行)」となります。
「過去分詞(動詞の過去分詞形)」の意味は、
本来の動詞の意味に「完了」「受身」の意味が加わった「~した(完了)」「~された(受身)」となります。
「現在分詞」と「過去分詞」の意味について例で確認しましょう。
⑴ a man beating a drum (ドラムをたたいている男)
⑵ a man given the award (その賞を与えられた男)
⑶ a man newly come to our town (私たちの町に新しくやってきた男)
さて、次は「述語動詞」の分詞化について説明します。
述語動詞(完全な動詞)の分詞化
「完了形」と「受動態」は、「助動詞」と「過去分詞」を組み合わせて「助動詞+過去分詞」とし、「述語動詞」(純粋な動詞)として働きますが、この「述語動詞」は分詞にすることが可能です。
つまり、純粋な動詞として働く述語動詞に対し、形容詞の機能(名詞を修飾する働き)を追加することが可能なのです。
「完了形」と「受動態」の述語動詞を分詞化する方法は簡単です。
「過去分詞」の前に置いてある「助動詞」をing形にすることで、述語動詞を分詞化できる。
例えば、「完了形(have + 過去分詞)」の「述語動詞」は、前に置いた助動詞の「have」をing形にすると、「having + 過去分詞」というカタチの完了形の分詞を作ることができます。これを「完了形の分詞」と呼びます。
また、「受動態(be + 過去分詞)」の「述語動詞」は、前に置いた助動詞の「be」をing形にすると、「being + 過去分詞」というカタチの受動態の分詞を作ることができます。これを「受動態の分詞」と呼びます。
さらには、「having been + 現在分詞」で「完了進行形の分詞」や「having been + 過去分詞」で「完了受身形の分詞」を作ることも可能です。
「助動詞」をing形にすることで、純粋な動詞である完了形や受動態の述語動詞を分詞化(形容詞の働きを追加)できる。
- 完了形の分詞 - 「having + 過去分詞」
- 受動態の分詞 - 「being + 過去分詞」
- 完了進行形の分詞 - 「having been + 現在分詞」
- 完了受身形の分詞 - 「having been + 過去分詞」
それでは、「完了形」と「受動態」の述語動詞が分詞化した場合について、例で確認してみましょう。
⑴ rebels having surrendered (降伏した反逆者)
⑵ the university being built at Nagoya (名古屋に建設されつつある(建設中の)大学)
例⑴は、完了形の分詞「having surrendered」が名詞「rebels(反逆者)」修飾しています。
例⑵は、受動態の分詞「being built」が「at Nagoya」を伴なって、名詞「the university」を修飾しています。
次に、分詞構文について説明します。
分詞構文とは
これまで、分詞(現在分詞「動詞のing形」と過去分詞「動詞の過去分詞形」)は動詞と形容詞の働きを兼ね備えていると説明しました。
そして、分詞は名詞の前や後ろに置いて、その名詞を修飾するということを学びました。
実は、分詞は、分詞の置く場所を調整することにより、名詞を修飾する以外の用法が可能です。
分詞は、文の先頭に置いたり、文中のコンマの直後に置くことによって、形容詞の働きを接続詞の働きに代えることができます。
つまり、文の先頭や文中のコンマの直後に置いた分詞(現在分詞と過去分詞)は、動詞と接続詞の両方の働きを兼ねます。
そして、動詞と接続詞の両方の働きを兼ねる分詞が作る語群のことを「分詞構文」といいます。
形容詞の働きを兼ねている分詞が修飾するのは名詞でしたが、「分詞構文」は接続詞の働きを兼ねているので、文と文(分詞構文とその他の文)を繋ぎつつ、繋ぐ相手となる文全体を修飾します。
それでは、「分詞構文」について早速例文で確認してみましょう。
⑴ Living in Tokyo, I became acquainted with her. (東京に住んでいる時に、彼女と知り合いになった。)
⑵ Born in better times, he would have become a great statesman. (もっと良い時代に生まれていたら、彼は偉大な政治家になっていただろう。)
例文⑴では、現在分詞の「Living」が「Living in Tokyo」という語群(分詞構文)を作り、分詞構文とその他の文「I became acquainted with her」の2つの文を繋ぎつつ、相手の文を修飾(時について説明)しています。
例文⑵では、過去分詞の「Born」が「Born in better times」という語群(分詞構文)を作り、分詞構文とその他の文「he would have become a great statesman」の2つの文を繋ぎつつ、相手の文を修飾(条件について説明)しています。
⑶ He started early in the morning, arriving there late in the evening. (彼は朝早く発って、そして夕方遅く向こうについた。)
⑷ Having lived in America for years, he still cannot speak English well. (何年もアメリカに住んでいるのに、彼はまだ英語が上手に話せない。)
例文⑶では、現在分詞の「arriving」が「arriving there late in the evening」という語群(分詞構文)を作り、分詞構文とその他の文「He started early in the morning」の2つの文を繋ぎつつ、相手の文を修飾(付帯状況について説明)しています。
例文⑷では、完了形の分詞の「Having lived」が「Having lived in America for years」という語群(分詞構文)を作り、分詞構文とその他の文「he still cannot speak English well」の2つの文を繋ぎつつ、相手の文を修飾(譲歩について説明)しています。
⑸ Having been spending time in the city and at the cabin, I’ve come to realize the difference in sound levels between the two. (都会と山小屋で過ごしてきて、私は両者での音の大きさや違いが分かってきた。)
⑹ Having been completed around 1080, the Norman Capel is the oldest part of Durham Castle. (ノルマン礼拝堂は1080年頃建てられ、ダラム城の中でも一番古い部分である。)
例文⑸では、完了進行形の分詞の「Having been spending」が「Having been spending time in the city and at the cabin」という語群(分詞構文)を作り、分詞構文とその他の文「I’ve come to realize the difference in sound levels between the two」の2つの文を繋ぎつつ、相手の文を修飾(理由について説明)しています。
例文⑹では、完了受身形の分詞の「Having been completed」が「Having been completed around 1080」という語群(分詞構文)を作り、分詞構文とその他の文「the Norman Capel is the oldest part of Durham Castle」の2つの文を繋ぎつつ、相手の文を修飾(理由について説明)しています。
例文を通して、動詞と接続詞の働きを兼ね備える「分詞構文」について理解ができたかと思います。
分詞構文の表わす意味
動詞と接続詞の働きを兼ね備える「分詞構文」は、主に次のような意味を表わします。
時を表わす(~すると、~している時) / 原因・理由を表わす(~なので) / 条件を表わす(もし~ならば) / 譲歩を表わす(~にしても、~だけれども) / 付帯状況を表わす(~しながら、…そして~した)
接続詞の働きを持つ「分詞構文」は、上記のように複数存在する意味の内、どの意味を表わしているか分かりにくいという面があります。
したがって、時・条件・理由などの意味を明確にするために具体的な意味を持つ接続詞を分詞の前に置くことがあります。
⑴ While living in the country, he painted a lot of pictures. (田舎に住んでいる時に、彼はたくさんの絵を描いた。)
現在分詞の「Living」が「Living in the country」という語群(分詞構文)を作り、その分詞構文が修飾する「he painted a lot of pictures」という文の「時」を表わしていることを明確にするために、「時」を表わす接続詞の「While」が現在分詞「Living」の前に置かれています。
次は、分詞の否定形について説明します。
否定形の分詞
否定形の分詞を作る場合は、否定の意味を表わす「not」を分詞の前に置きます。
例文で確認しましょう。
⑴ Not getting up by seven, I was late for school. (7時までに起きなかったので、私は学校に遅刻しました。)
⑵ She was listened to with pleasure, though not playing well. (彼女の演奏はうまくはなかったが、よろこんで傾聴された。)
また、否定の意味の「never」を使って、完了形の分詞の否定形を作る場合、「never」の位置は、「never」を文頭に置く「never having + 過去分詞」と「never」を間に挟む「having never + 過去分詞」のどちらでも構いません。
例文で確認しましょう。
⑴ Having never met her before, I wondered what she would be like. (彼女にはこれまで会ったことがなくて、どんな人だろうと思っていた。)
⑵ Never having met her before, I wondered what she would be like. (彼女にはこれまで会ったことがなくて、どんな人だろうと思っていた。)
最後に、分詞構文の主語について説明します。
分詞構文の主語について
「分詞構文」の主語(動作主)は、「分詞構文」によって繋がれる相手の文の主語に一致します。
例文で確認してみましょう。
⑴ Written in plain English, this book is easy to read. (簡単な英語で書かれているので、この本は読みやすい。)
⑵ Going down this street, you will get to the pier. (この通りをくだっていけば、あなたは桟橋に着きます。)
例文⑴の、分詞構文「Written in plain English」の主語は、「分詞構文」によって繋がれる相手の文「this book is easy to read」の主語「this book」に一致します。分詞構文のところのみ主語を加えて訳すと、「この本は英語で書かれているので」となります。
例文⑵の、分詞構文「Going down this street」の主語は、「分詞構文」によって繋がれる相手の文「you will get to the pier」の主語「you」に一致します。分詞構文のところのみ主語を加えて訳すと、「あなたがこの通りをくだっていけば」となります。
例文を通して、「分詞構文」の主語(動作主)は、「分詞構文」によって繋がれる相手の文の主語に一致することが分かったかと思います。
一方で、「分詞構文」の主語と「分詞構文によって繋がれる相手の文」の主語は別にすることも可能です。
この場合は、「分詞構文」の前に「分詞構文」の主語となる語を置きます。
このようにして、「分詞構文」の前に「分詞構文」の主語となる語を置いたものは「独立分詞構文」と呼ばれています。
「分詞構文」の主語が「分詞構文によって繋がれる相手の文」の主語と一致しないことを、「独立」という語をつけて表現しています。
それでは、「独立分詞構文」について例文を確認してみましょう。
⑴ The arrangements having been settled, they left the office. (その段取りが決着されて、彼らは事務所を出た。)
⑵ We are ready to start at any moment, weather permitting. (天候が許せば、私たちはいつでも開始します。)
例文⑴には、分詞構文「having been settled」の前に主語「The arrangements」の置かれた独立分詞構文が存在します。
例文⑵には、分詞構文「permitting」の前に主語「weather」の置かれた独立分詞構文が存在します。
それでは、学んだことをまとめたいと思います。
まとめ
「現在分詞」と「過去分詞」とは何かについて学びました。
「現在分詞」とは、
「動詞のing形」のことで、動詞と形容詞の2つの働きを兼ね備えた語である。
「過去分詞」とは、
「動詞の過去分詞形」のことで、動詞と形容詞の2つの働きを兼ね備えた語である。
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「現在分詞」と「過去分詞」は、形容詞として名詞を修飾する働きを行い、また、動詞として目的語や補語を取ることができる。
「現在分詞」と「過去分詞」の語順について学びました。
「現在分詞」と「過去分詞」を置く位置は、形容詞と同じく基本的に名詞の前であるが、分詞が他の語と結合して語群を作る際は、名詞の後に置く。
「現在分詞」と「過去分詞」の完全動詞化について学びました。
「現在分詞」と「過去分詞」は、助動詞と組み合わせることにより、「進行形(be + 現在分詞)」「完了形(have + 過去分詞)」「受動態(be + 過去分詞)」のカタチで完全動詞化(純粋な動詞化)することができる。
「現在分詞」と「過去分詞」の表わす意味について学びました。
「現在分詞(動詞のing形)」の意味は、
本来の動詞の意味に「進行」の意味が加わった「~している(進行)」「~しつつある(進行)」となる。
「過去分詞(動詞の過去分詞形)」の意味は、
本来の動詞の意味に「完了」「受身」の意味が加わった「~した(完了)」「~された(受身)」となる。
完了形の分詞や受動態の分詞の作り方について学びました。
「助動詞」をing形にすることで、純粋な動詞である完了形や受動態の述語動詞を分詞化(形容詞の働きを追加)できる。
- 完了形の分詞 - 「having + 過去分詞」
- 受動態の分詞 - 「being + 過去分詞」
- 完了進行形の分詞 - 「having been + 現在分詞」
- 完了受身形の分詞 - 「having been + 過去分詞」
否定形の分詞の作り方について学びました。
- 否定形の分詞を作る場合は、否定の意味を表わす「not」を分詞の前に置く。
- 否定の意味を表わす「never」を使って完了形の分詞の否定形を作る場合、「never」の位置は、「never」を文頭に置く「never having + 過去分詞」と「never」を間に挟む「having never + 過去分詞」のどちらでも構わない。
分詞構文について学びました。
- 「分詞構文」は、動詞と接続詞の2つの働きを兼ね、文と文(分詞構文とその他の文)を繋ぎつつ、繋ぐ相手となる文全体を修飾する。
- 「分詞構文」の表わす主な意味は、「時を表わす(~すると、~している時) / 原因・理由を表わす(~なので) / 条件を表わす(もし~ならば) / 譲歩を表わす(~にしても、~だけれども) / 付帯状況を表わす(~しながら、…そして~した)」のどれかである。
- 「分詞構文」の主語(動作主)は、「分詞構文」によって繋がれる相手の文の主語に一致する。
- 「分詞構文」の前に「分詞構文」の主語となる語を置いて(独立分詞構文によって)、「分詞構文によって繋がれる相手の文」の主語と別にすることができる。