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「どのような」と性質や状態を説明する形容詞と、「どのように」と状態や程度を説明する副詞の多くは、他と比べてその程度の違いを表すときに、語形を変化させます。
比較級と最上級の作り方とルール
他と比べて程度の違いを表す際の形容詞や副詞の語形変化は、2つのものを比べる場合と、3つ以上のものを比べる場合で異なります。
形容詞や副詞のそのままの形を原級と呼びます。
2つのものを比べるときは、原級に-erを付けて語形を変化させ、この変化させたものを比較級と呼びます。
比較級では、2つのうち、一方が他方よりも程度が高いことを表します。
3つ以上のものを比べるときは、原級に-estを付けて語形を変化させ、この変化させたものを最上級と呼びます。
最上級では、3つ以上のうちで、最も程度が高いことを表します。
原級・比較級・最上級は次のようになります。
形容詞の例 young〔若い〕 young(原級) – younger(比較級) – youngest(最上級)
副詞の例 fast〔速く/(速い)〕 fast(原級) – faster(比較級) – fastest(最上級)
He is young. (彼は若い)
He is younger than I. (彼は私よりも若い)
He is the youngest of the three boys. (彼はその3人の少年の中で1番若い)
また、比較級や最上級の作り方はこの他に、原級に-erや-estを付けて語形変化させずに、原級の前にmoreを置いて比較級を作る方法と原級の前にmostを置いて最上級を作る方法があります。
important〔重要な〕 important(原級) – more important(比較級) – most important(最上級)
expensive〔高価な〕 expensive(原級) – more expensive(比較級) – most expensive(最上級)
さて、比較級と最上級の作り方はこのように2通りあるので、この2通りの作り方を正しく使い分けなければなりません。
正しく使い分けるために、比較級・最上級の作り方のルールを知る必要があります。
それでは、比較級・最上級の作り方のルールについて説明します。
比較級・最上級の作り方のルール
形容詞や副詞が1音節の場合は、基本的に原級に-er/-estを付けて語形変化させ、比較級・最上級を作ります。
一方、形容詞や副詞が2音節以上の場合、基本的に原級の前にmore/mostを置いて、比較級・最上級を作ります。
『音節』とは、最小のまとまりの音として意識され、発音される単位のことです。
英語の音節について説明することは難しいですが、ここでは簡単に1音節の語は「発音する母音の数が1つの語」と覚えましょう。
それでは、比較級・最上級の例をいくつか確認してみましょう。
1音節の語の比較級・最上級
1音節の語の場合、原級に-er/-estを付けて語形変化させ、比較級・最上級を作ります。
deep〔深い/深く〕 deep – deeper – deepest
long〔長い/長く〕 long – longer – longest
strong〔強い/強く〕 strong – stronger – strongest
但し、次のような場合に注意する必要があります。
⑴語尾が-eで終わる動詞には、-r, -stだけを付ける
⑵語尾が〔短母音+単子音字〕で終わる動詞には、末尾の子音字を重ねて-er, -estを付ける
<語尾が-eで終わる動詞の例>
true〔本当の〕 true – truer – truest
brave〔勇敢な〕 brave – braver – bravest
<語尾が〔短母音+単子音字〕で終わる動詞の例>
big〔大きい〕 big – bigger – biggest
thin〔薄い〕 thin – thinner – thinnest
hot〔暑い〕 hot – hotter – hottest
wet〔濡れた〕 wet – wetter – wettest
red〔赤い〕 red – redder - reddest
2音節以上の語の比較級・最上級
2音節以上の語の場合、more/mostを原級の前に置いて、比較級・最上級を作ります。
foolish〔愚かな〕 foolish – more foolish – most foolish
expensive〔高価な〕 expensive – more expensive – most expensive
famous〔有名な〕 famous – more famous – most famous
但し、次のような場合に注意する必要があります。
例外的に、2音節の語で-er/-estを付けて比較級・最上級を作る語もあります。(-er, -ure, -le, -y, -ow, -someなどで終わる語)
tender〔やさしい〕 tender – tenderer – tenderest
shallow〔浅い〕 shallow – shallower – shallowest
さらに、次のような場合に注意する必要があります。
⑴語尾が〔子音字+y〕で終わる動詞には、語尾のyをiに変えて-er, -estを付ける
easy〔簡単な〕 easy – easier – easiest
happy〔幸せな〕 happy – happier – happiest
manly〔男らしい〕 manly – manlier – manliest
次に、比較級と最上級が2種類ある語を紹介します。
比較級・最上級が2つある語
old〔年を取った/古い〕 old – older – oldest
old〔年を取った(家族内の長幼の関係)〕 old – elder – eldest
①「年を取った/古い」の意味の場合、比較級・最上級がolder, oldestになります。
②家族内の長幼の関係を表す場合、比較級・最上級がelder, eldestになります。
late〔(時間が)遅い/遅く〕 late – later – latest
late〔(順序が)遅い/遅く〕 late – latter – last
①「(時間が)遅い/遅く」の意味の場合、比較級・最上級がlater, latestになります。
②「(順序が)遅い/遅く」の意味の場合、比較級・最上級がlatter, lastになります。
far〔(物理的な距離)遠い/遠く〕 far – farther – farthest
far〔(非物理的な距離)遠い/遠く・(程度)さらに/その上〕 far – further – furthest
①「(物理的な距離)遠い/遠く」の意味の場合、比較級・最上級がfarther, farthestになります。
②「(非物理的な距離)遠い/遠く・(程度)さらに/その上」の意味の場合、比較級・最上級がfurther, furthestになります。
最後に、比較級・最上級が不規則変化する語を紹介します。
比較級・最上級が不規則変化をする語
「良い・悪い」を表す語〔good/well・bad/ill/badly〕、「多い・少ない」を表す語〔many/much・little〕の比較級・最上級は不規則変化をします。
good〔(形)よい〕 good – better – best
well〔(形)元気な/(副)よく〕 well – better- best
bad〔(形)悪い〕 bad – worse – worst
ill〔(形)悪い〕 ill – worse – worst
badly〔(副)悪く/ひどく〕 badly – worse – worst
many〔(形)多数の〕 many – more – most
much〔(形)多量の〕 much – more – most
little〔(形)少量の〕 little – less – least
以上、比較級と最上級の作り方について説明しました。