目次
- 1 場所の前置詞 at, on, in
- 2 方向の前置詞 to, on(to), in(to)
- 3 離れた状態の前置詞 from, off, out of
- 4 垂直方向位置の前置詞 above, over, below, under
- 5 水平方向位置の前置詞 before, in front of, after, behind
- 6 運動の方向の前置詞 up, down, along, across
- 7 通過の前置詞 across, through, past
- 8 時間の前置詞 at, on, in
- 9 期間の前置詞 for, during, in
- 10 時の終点を表わす前置詞 before, till(until), by
- 11 原因の前置詞 for, from, with, out of
- 12 理由の前置詞 for, because of, on account of, owing to, due to
- 13 目的の前置詞 for
- 14 結果の前置詞 to, into
- 15 材料の前置詞 from, of, out of, with
- 16 優越の前置詞 above, over, beyond
- 17 劣等の前置詞 below, under, beneath
- 18 分離の前置詞 of, from
- 19 運動の起点の前置詞 from, out of
- 20 起源の前置詞 of, from
- 21 道具・手段の前置詞 with, by
- 22 関連の前置詞 about, of, on, over
- 23 様態の前置詞 with, in, at
- 24 包含の前置詞 between, among
- 25 まとめ
前置詞には、at, on, in, to, into, onto, from, off, above, over, below, under, before, after, behind, up, down, along, across, through, past, by, till, until, for, during, with, of, beyond, beneath, about, between, amongなどの種類があります。
前置詞にはこのようにたくさんの語があり、また、1つの前置詞が複数の機能(用法)を持ってる場合が多いです。
今回は前置詞を機能ごとに大まかにグループ分けし、それぞれの前置詞が持つその機能について詳しく紹介します。
前置詞に関しては、 前置詞 on が出てきたら「~の上に」、for が出てきたら「~のために」というような感じで機械的に日本語に訳している人が多いのではないでしょうか。
かつての私も、単調な暗記が中心だった学校英語教育の影響で英単語を機械的に和訳してしまう習慣がありました。
前置詞について重要なことは、前置詞の機能を知り、前置詞がつなぐ言葉と言葉にどのような論理的な関係性があるのかを考えるようにすることです。
今回は、この点について説明していきます。
ちなみに、前置詞は単独1語で用いる場合と、複数並べて用いる場合があります。複数並べて用いる場合、その前置詞のかたまりを郡前置詞と呼びます。今回はこの郡前置詞も含めて紹介していきます。
場所の前置詞 at, on, in
英文では場所について言い表す際に、場所を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 +場所(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。日本語では場所を言い表す際に「場所(どこどこ) + に」「場所(どこどこ) + で」というような感じで、場所を表わす名詞に助詞の「に」「で」をくっつけますが、これらの助詞に相当するのが前置詞です。このように場所を言い表す際に用いられる前置詞は、その機能から『場所の前置詞』と呼びます。
場所の前置詞には、at, on, inがあります。
原則的に、atは広がりを持たない点を、onは線または表面の広がりを、inは平面または立体の広がりを持つ場所について用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ The post office is at the corner of the street. (郵便局はその通りの角にある。)
⑵ We arrived at our destination before dark. (私たちは暗くなる前に目的地に着いた。)
⑶ There are several small restaurants on the beach. (浜辺には数件の小さなレストランがある。)
⑷ He dropped a large package on the floor. (彼は床に大きな包みを落とした。)
⑸ Put your signature on this line. (この線上に署名しなさい。)
⑹ He has left his passport in the hotel room. (彼はホテルの部屋にパスポートを置き忘れてきた。)
⑺ I live in Tokyo. (私は東京に住んでいます。)
⑻ I often take a walk with my dad in the park. (私はよく父と公園を散歩します。)
方向の前置詞 to, on(to), in(to)
英文では方向について言い表す際に、方向を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 +方向(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。方向を言い表す際に用いられる前置詞は、その機能から『方向の前置詞』と呼びます。
方向の前置詞には、to, on(to), in(to)があります。
原則的に、toはある一点の方向に、on(to)は線または表面の方向に、in(to)は平面または立体への方向について用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ He was kind enough to take me to the station. (彼は親切にも私を駅まで連れて行ってくれた。)
⑵ They have recently moved to Tokyo. (彼らは最近東京に引っ越した。)
⑶ I hung the washing on a line. (私は洗濯物をロープに干した。)
⑷ He flung his coat onto the floor. (彼は上着を床に投げつけた。)
⑸ Two men got into the room. (二人の男が部屋に入ってきた。)
⑹ He dived in the water. (彼は水中に潜った。)
離れた状態の前置詞 from, off, out of
英文では、ある位置から離れていることを表わす際に、位置を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 位置(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。離れた状態を言い表す際に用いられる前置詞は、その機能から『離れた状態の前置詞』と呼びます。
離れた状態の前置詞には、from, off, out ofがあります。
fromは離れる際の起点に、offは線または表面から離れる場合に、out ofは平面または立体から離れる場合に用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ This is a train from Detroit. (これはデトロイト発の電車です。)
⑵ The town is two miles away from here. (その町はここから2マイル先です。)
⑶ The Titanic was wrecked off the coast of Greenland. (タイタニック号はグリーンランド沿岸から離れたところ(グリーンランド沖)で難破した。)
⑷ We left our car off the road, and walked. (私たちは道のわきに車を置いて、歩いた。)
⑸ We keep animals out of our garden with a fence. (私たちは庭にフェンスをめぐらせて動物が近づかないようにしている。)
⑹ She took a cigarette and matches out of the side pocket of her jeans. (彼女はジーンズのサイドポケットから煙草とマッチを取り出した。)
垂直方向位置の前置詞 above, over, below, under
英文では、垂直方向の相対位置を表わす際に、基準位置を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 基準位置(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。垂直方向の相対位置を言い表す際に用いられる前置詞は、その機能から『垂直方向位置の前置詞』と呼びます。
垂直方向位置の前置詞には、above, over, below, underがあります。
aboveはあるものが単に他より高い位置にあることを示すのに対し、overは真上にあることを示します。同様に、belowはあるものが単に他より低い位置にあることを示すのに対し、underは真下にあることを示します。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ We saw white clouds above the hill. (丘の上に白い雲が見えた。)
⑵ He held the rifle above his head as a sign of surrender. (彼は降伏の印にライフルを頭の上にあげた。)
⑶ A bridge goes over a river, and the river under the bridge. (橋が川の真上にかかっていて、川はその橋の真下を流れている。)
⑷ The kitchen is under the bedroom. (台所は寝室の真下にあります。)
⑸ This part of country is below sea level. (この地方は海抜以下です。)
⑹ These socks come to just below the knee. (この靴下はちょうど膝下までくる。)
⑺ The space shuttle was flying over Japan. (スペースシャトルは日本の上空を飛行していた。)
水平方向位置の前置詞 before, in front of, after, behind
英文では、水平方向の相対位置を表わす際に、基準位置を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 基準位置(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。水平方向の相対位置を言い表す際に用いられる前置詞は、その機能から『水平方向位置の前置詞』と呼びます。
水平方向位置の前置詞には、before, in front of, after, behindがあります。
beforeは動くものについて基準より前の位置を示すとき、ものの順序で基準より前を示すときに用います。in front ofは具体的な場所として基準より前方を示します。同様に、afterは動くものについて基準より後ろの位置を示すとき、ものの順序で基準より後ろを示すときに用います。behindは具体的な場所として基準より後方を示します。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ In French the noun comes before the adjective. (フランス語では名詞が形容詞の前にくる。)
⑵ The drum major marched before the others. (鼓手の隊長が先頭に立って後進した。)
⑶ There’s a car parked right in front of our gate, and I can’t get out! (門の前に車が停めてあって、外に出ることができない。)
⑷ A big tree stood in front of the building. (大きな木がその建物の前に立っていた。)
⑸ He ran after her and caught her at the door. (彼は彼女のあとを追いかけて、ドアのところでつかまえた。)
⑹ After water, food is the most important need for human life. (水に次いで食物は人間生活に欠かせない最も大切なものである。)
⑺ He is hiding behind the door. (彼はドアの後ろに隠れている。)
⑻ There is a bus behind us and a truck right in our way. (後ろにはバスがあり、進行方向にはトラックがある。)
運動の方向の前置詞 up, down, along, across
運動の動詞とともに用いて方向を表わす前置詞があります。この前置詞は『運動の方向の前置詞』と呼ばれます。運動が行われる場所や位置を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 場所/位置(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
運動の方向の前置詞には、up, down, along, acrossがあります。
upとdownは垂直方向に関して、alongとacrossは水平方向に関して用いられます。upは上方向を示し、downは下方向を示します。そして、alongは水平軸の一方の端から他方の端への方向を示し、acrossは水平軸の一方の側から他方の側への方向を示します。また、upとdownが水平方向を示すこともあり、その場合には中心から遠ざかる方向をdown、中心へ近づく方向がupとなります。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ She carried the child up the ladder to the room under the roof of the house. (彼女は子どもを抱えてはしごを登り、家の屋根裏部屋へ行った。)
⑵ I walked up the drive to the front door. (私はその車道を玄関まで歩いた。)
⑶ The ball rolled down the roof and fell to the ground. (ボールは屋根を転がって地面に落ちた。)
⑷ He turned away from the gate and started down the road. (彼は門から出て向きを変え道路の向こう側に進み始めた。)
⑸ The frontier runs along the river for a few miles and then turns south. (国境は川に沿って数マイル続き、そこから南へ向かっている。)
⑹ They are walking along the street arm in arm. (彼らは腕を組んで通りを歩いていた。)
⑺ The store is just across the street from us here. (その店なら通りを挟んでうちのちょうど向かいにある。)
⑻ A small bridge goes across the river. (小さな橋がその川にはかかっている。)
通過の前置詞 across, through, past
『通過の前置詞』と呼ばれ、通過を表わす前置詞があります。通過が行われる場所や対象となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 場所/対象(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
通過の前置詞には、across, through, pastがあります。
acrossは線または表面の通過を、throughは平面まはた立体の通過を、pastは何かの側(そば)を通過すること示します。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ I hurried in, passed him and walked across the floor to an elevator. (私は急いで中に入って彼のそばを通り抜け、フロアを通ってエレベーターのところへ行った。)
⑵ Before you run across the street, look to the right and to the left. (通りを走って横断する前に、右を見て左を見なさい。)
⑶ The cat jumped in through the open window. (猫が開いていた窓から飛び込んできた。)
⑷ He rode away through the forest. (彼は馬に乗り森を走り抜けた。)
⑸ How can I get past her without her seeing me? (どうやって彼女に見られずに私がそばを通れるというのか?)
⑹ I walked past the ABC bank. (私はABC銀行のそばを通って行った。)
時間の前置詞 at, on, in
英文では時間について言い表す際に、時間を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 +時間(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。時間を言い表す際に用いられる前置詞は、その機能から『時間の前置詞』と呼びます。
時間の前置詞には、at, on, inがあります。
atは時刻について、onは日付、曜日について、inは時間帯、月、季節、年、世紀について用います。このようにat, on, inの順に示す時間の単位が大きくなります。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ I go to bed at 11 o’clock. (私は11時に寝床に入る。)
⑵ He came at nine and went at five. (彼は9時に来て5時に帰った。)
⑶ I was born on May 2, 1959. (私は1959年5月2日に生まれた。)
⑷ I arrived on Tuesday morning. (私は火曜日の朝に到着した。)
⑸ Tokyo was the site of the Olympics in 1964. (東京は1964年のオリンピック開催地だった。)
⑹ The island is warm in summer. (その島は夏は温暖だ。)
期間の前置詞 for, during, in
『期間の前置詞』と呼ばれ、期間を表わす時に用いる前置詞があります。期間を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 期間(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
期間の前置詞には、for, during, inがあります。
forは(事前に定まっていない)不定の期間を、duringは(事前に定まっている)一定の期間を示します。inは普通、「現在から~後に」の意味を表わしますが、単純に期間を示すこともあります。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ I have been waiting for you here for two hours. (私はここで2時間もあなたを待っていた。)
⑵ The doctor advised me to take a good rest for several days. (医師は私に数日間は十分に休養するように勧めた。)
⑶ We enjoyed skiing during the winter vacation. (私たちは冬休みの間スキーを楽しんだ。)
⑷ During my stay in Rome, I visited almost all the historic sites. (ローマに滞在中、私はほとんどすべての史跡を訪れた。)
⑸ He answered all the questions in ten minutes. (彼は10分後には全部の問いの答えを出した。)
⑹ We’ll be ready to leave in an hour from now. (今から1時間のうちに私たちは出発の用いができる。)
時の終点を表わす前置詞 before, till(until), by
時の終点を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『時の終点を表わす前置詞』と呼ばれます。時を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 時(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
時の終点を表わす前置詞には、before, till(until), byがあります。
beforeは時の終点よりも前に意識があり、till(until)とbyは時の終点としての期限に意識があります。till(until)は動作や状態の継続がみられる場合に用い、byは継続的な意味を示す動詞とともには用いないという違いがあります。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ I did not get up before five o’clock. (私は5時前には起きなかった。⇒5時を過ぎてから起きた。)
⑵ I did not get up till five o’clock. (私は5時になるまでは起きなかった。⇒5時ちょうどに起きた。)
⑶ I’ll be here by six o’clock. (6時までに私はここに来ている。)
⑷ I’ll be here till six o’clock. (6時まではずっと私はここにいる。)
⑸ Hotel guests are requested to check out their rooms before 10 a.m. (ホテルのお客様は午前10時までに部屋を開けてください。)
⑹ We’ll have finished all the work by the time you get here. (私たちはあなたがここに来るまでは仕事を全部終えているだろう。)
原因の前置詞 for, from, with, out of
原因を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『原因の前置詞』と呼ばれます。原因となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 原因(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
原因の前置詞には、for, from, with, out ofがあります。
forは使用範囲が限られていて、感情を表わす動詞とともに用います。fromは起源の意味があり原因の起点を示します。withは随伴の意味があって同時性を示します。out ofは特に動機を示し、内側に潜んでいたものが外側に現れたというイメージで理解するとよいです。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ Are you crying for joy? (あなたは嬉しくて泣いているのですか?)
⑵ I jumped for joy. (私は喜びのあまり飛び跳ねた。)
⑶ The explores died from exposure to the cold. (探検隊員たちは寒さに身をさらしたのがもとで死亡した。)
⑷ I felt fatigued from staying up all night. (夜通し起きていたので私は疲れを感じた。)
⑸ She was shivering with cold. (彼女は寒さにふるえていた。)
⑹ His forehead and hands were wet with sweat. (彼の額と両手は汗でぬれていた。)
⑺ She gave him some money out of sympathy for his work. (彼女は彼の仕事に同情してお金を恵んだ。)
⑻ A lot of art is born out of deep feeling. (多くの芸術作品は深い感受性から生まれる。)
理由の前置詞 for, because of, on account of, owing to, due to
理由を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『理由の前置詞』と呼ばれます。理由となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 理由(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
理由の前置詞には、for, because of, on account of, owing to, due toがあります。
forは特定の動詞や形容詞とともに用います。because ofは最も一般的な表現です。on account ofは形式ばった表現です。owing toはやや大げさな感じを与える表現です。due toはよくないことを表わす際に用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ I scolded him for being late. (私は彼が遅刻したので叱った。)
⑵ He blamed his friend for breaking the window. (彼は窓を割った責任を友人のせいにした。)
⑶ We had to drive very slowly because of the fog. (霧のため私たちはのろのろと運転せざるをえなかった。)
⑷ Because of his bad leg, he couldn’t walk a long way. (足が悪いために、彼は長い距離は歩けなかった。)
⑸ She kept silent on account of her husband. (彼女は夫のためを思って黙っていた。)
⑹ I did very little exercise on account of my injury. (けがのせいで私はほとんど運動しなかった。)
⑺ We had to save water owing to a long spell of dry weather. (長い干ばつのため節水しなければならなかった。)
⑻ Owing to staff shortages, there was no food on the plane. (スタッフ不足のため、飛行機では食べ物が出なかった。)
⑼ His injury was due to his careless use of the shotgun. (彼がけがをしたのは散弾銃を不注意に使ったからだった。)
⑽ The delay is due to a shortage of hands. (遅れたのは人手不足のせいだ。)
目的の前置詞 for
目的を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『目的の前置詞』と呼ばれます。目的となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 目的(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
目的の前置詞には、forがあります。
名詞や動詞、形容詞の後にforを置いて、for以下にその目的を言い表します。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ Let’s go out for a walk in the park. (公園へ散歩に行きましょう。)
⑵ I have no desire for a bigger car. (私はもっと大きな車を手に入れたい願望は持っていない。)
⑶ The students in our country are thirsty for knowledge. (我が国の学生は知識を渇望している。)
結果の前置詞 to, into
結果を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『結果の前置詞』と呼ばれます。結果に相当する名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 結果(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
結果の前置詞には、to, intoがあります。
程度・度合の変化の結果についてはtoを用い、著しい質的変化の結果にはintoを用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ The rain has changed into snow. (雨が雪に変わった。)
⑵ She cut the pie into six pieces. (彼女はパイを6つに切った。)
⑶ A caterpillar turns into a butterfly. (毛虫は蝶になる。)
⑷ The drizzle has changed to rain. (小雨が本格的な雨になった。)
⑸ The cake was burnt to a cinder by the time I got back. (私が戻ってきたときには、ケーキは黒焦げになっていた。)
材料の前置詞 from, of, out of, with
材料を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『材料の前置詞』と呼ばれます。材料となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 材料(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
材料の前置詞には、from, of, out of, withがあります。
fromはつくった結果、完全に材料が変質したと考えられるものに、ofは材料の形状をとどめている場合に用います。ただし、見方によってどちらとも考えられるものには、fromもofも用いられます。out ofは1つの品物から他の品物への転換に用います。withは材料の一部として使われているものに用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ Flour is made from wheat. (小麦粉は小麦からつくられる。)
⑵ This jam is made from oranges and sugar. (このジャムはオレンジと砂糖でできている。)
⑶ The play was made from a famous story. (この劇は有名な話をもとにしてつくられた。)
⑷ This table is made of wood. (このテーブルは木製だ。)
⑸ The sculptor first formed a rough model of clay. (彫刻家はまず粘土でおおよその原形をつくった。)
⑹ She made a blouse out of an old shirt of her father’s. (彼女は父親の古いシャツからブラウスをつくった。)
⑺ She made a cushion cover out of some small pieces of cloth. (彼女は布切れでクッションカバーを作った。)
⑻ I’ll make sauce with red wine. (赤ワインを使ってソースを作ります。)
⑼ A paste is made with flour and water. (生地は小麦粉と水で作られる。)
優越の前置詞 above, over, beyond
優越を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『優越の前置詞』と呼ばれます。比較の基準や対象となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 名詞〕という句(語のかたまり)を作ります。
優越の前置詞には、above, over, beyondがあります。
地位などの上下関係に用いられる場合は、aboveが単に才能や社会的地位が上であることを示すのに対し、overは他方を支配・監督する意が含まれます。数や量に関しては、aboveとoverのどちらも用いられます。また、「~を超えている」というように、上まわっている状態を表わすのに、aboveを用いたり、beyondを用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ He is well above average in math. (彼は数学でずいぶん平均を上回っている。)
⑵ He was above me in rank in the army. (軍隊では彼の方が私より階級が上だった。)
⑶ The new manager has been appointed over us. (新しい支配人が私たちの上司に任命された。)
⑷ She has the power of life and death over me. (彼女は私に対して生殺与奪の権を握っている。)
⑸ Those matters were beyond a child’s understanding. (それらの問題は子どもの理解できる範囲を超えていた。)
⑹ The event was beyond his imagination. (その出来事は彼の想像を超えるものだった。)
劣等の前置詞 below, under, beneath
劣等を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『劣等の前置詞』と呼ばれます。比較の基準や対象となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 名詞〕という句(語のかたまり)を作ります。
劣等の前置詞には、below, under, beneathがあります。
地位などの上下関係に用いられる場合は、belowが単に社会的地位が下であることを示すのに対し、underは他のを支配下・監督下にあることを示します。beneathは能力的に劣っていたり、社会的に下であるといった軽べつ的な意味を含みます。数や量が他方より小さいことを表わす場合には、underを用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ He was below me in the army. (彼は軍隊で私より地位が低かった。)
⑵ It is said that Heaven creates no man, either above or below another. (天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずと言われている。)
⑶ John is directly under the General Manager. (ジョンは総支配人の直属の部下である。)
⑷ He became the commander of a ship, with over 1,000 men under him. (彼は軍艦の副長になり、1,000人以上の部下が彼の下にいる。)
⑸ The voters are under four thousand in number. (投票者の数は4,000人以下である。)
⑹ Her parents think she has married beneath her. (彼女の両親は彼女が劣った(釣り合わない)人と結婚したと思っている。)
⑺ Such remarks are so childish that they are beneath notice. (そうした意見はまったく幼稚で取るに足りない。)
分離の前置詞 of, from
分離を表わす時に用いる前置詞があります。分離とは、物が人や場所から離れることです。分離を表わす時に用いる前置詞は『分離の前置詞』と呼ばれます。
分離の前置詞には、of, fromがあります。
ofは〔動詞 +人(場所) + of + 物〕の形式で用い、fromは〔動詞 + 人(場所) + from + 物〕の形式で用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ The doctor soon cured him of his pains. (医師はすぐに彼の痛みをとってくれた。)
⑵ The high wind robbed the trees of their fruit. (風が強くて木の実がもがれた。)
⑶ Television is apt to deprive children of reading time. (テレビは子どもたちから読書の時間を奪う傾向がある。)
⑷ He wouldn’t take money from his friends. (彼は友人から金銭を受け取ろうとしない。)
⑸ A fence separates the garden from the sidewalk. (柵が庭と歩道を区切っている。)
⑹ My bicycle has been stolen from the garage. (私の自転車がガレージから盗まれた。)
運動の起点の前置詞 from, out of
運動の起点を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『運動の起点の前置詞』と呼ばれます。起点に相当する名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 起点(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
運動の起点の前置詞には、from, out ofがあります。
fromは広がりを意識しない起点を示すのに対し、out ofは空間的に内から外へという運動を表わします。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ Come down from that tree at once! (その木からすぐに降りてきなさい!)
⑵ He turned away from her and looked across the river. (彼は彼女から顔をそむけて川のむこうを見た。)
⑶ A policeman asked us to get out of the car. (警官は我々に車から出るように求めた。)
⑷ Take your hands out of your pockets! (両手をポケットから出しなさい!)
⑸ I’ll take a beer out of the fridge. (冷蔵庫からビールを1本取り出す。)
起源の前置詞 of, from
起源を表わす時に用いる前置詞があります。この前置詞は『起源の前置詞』と呼ばれます。起源となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 起源(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
起源の前置詞には、of, fromがあります。
家柄・血統などを示す場合にはof、出身地を示す場合はfromを用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ She comes of a good family. (彼女は良家の出だ。)
⑵ He was born of a rich father. (彼は金持ちの父親のもとに生まれた。)
⑶ I come from Japan? (私は日本出身です。)
⑷ Is he from Boston or from New York? (彼はボストン出身ですか、それともニューヨーク出身ですか?)
道具・手段の前置詞 with, by
道具を使用する際、手段を表わす際に用いる前置詞があります。この前置詞は『道具・手段の前置詞』と呼ばれます。道具や手段となる名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 道具/手段(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
起源の前置詞には、with, byがあります。
道具、あるいは身体の一部を道具として使う場合にはwithを用います。これに対し、運輸・伝達の手段を表わす場合にはbyを用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ You cannot cut this with such a dull knife. (そんな切れ味の悪いナイフではこれは切れない。)
⑵ I managed to beat the dog off with a stick. (棒切れで犬をぶってどうにか追い払った。)
⑶ We see with our eyes and hear with our ears. (私たちは目で見、耳で聞く。)
⑷ Please let me know by letter. (手紙でお知らせください。)
⑸ They were going to France by the 2:20 train. (彼らは2時20分の列車でフランスに行くことになっていた。)
関連の前置詞 about, of, on, over
関連する情報を付加する際に用いる前置詞があります。この前置詞は『関連の前置詞』と呼ばれます。関連する情報を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 情報(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
関連の前置詞には、about, of, on, overがあります。
これらの内、aboutが最も一般的です。ofは特定の動詞や形容詞と結びつけて用います。onは専門的な用語を使って書いたり話したりする場合に用います。また、熟考を意味する動詞とともに用いることも多いです。overは口論や議論などを示す語、不統一や不安定な状態などを示す語とともにしばしば用います。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ Ask him about it again tomorrow. (明日もう一度そのことについて彼に尋ねてみなさい。)
⑵ What’s your opinion about his work? (彼の仕事に関するあなたの意見はどのようなものですか?)
⑶ She is quite ignorant of cooking. (彼女は料理のことは何も知らない。)
⑷ He talked of selling the farm. (彼は農場を売るつもりだと言った。)
⑸ Write a term paper on Shakespeare. (シェイクスピアに関する期末レポートを書きなさい。)
⑹ She reflected on her past life. (彼女は過去の生活をじっくりと振り返ってみた。)
⑺ They talked over the marriage for several days. (彼らは結婚について数日間じっくり話し合った。)
⑻ They are always having trouble over money. (彼らは金銭上の問題でいつももめている。)
様態の前置詞 with, in, at
様態を表わす際に用いる前置詞があります。この前置詞は『様態の前置詞』と呼ばれます。様態を示す名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 様態(名詞)〕という句(語のかたまり)を作ります。
様態の前置詞には、with, in, atがあります。この中で、withが最も一般的に用いられます。inやatは連語の関係によって使われます。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ The picture fell with a crash. (絵が大きな音を立てて落ちた。)
⑵ He grasped her arm with terrific force. (彼はものすごい力で彼女の腕を掴んだ。)
⑶ I am writing this letter in great haste. (私は大急ぎでこの手紙を書いている。)
⑷ He always writes in a careless manner. (彼はいつも乱雑に書く。)
⑸ The airplane flew at a speed of 500 miles an hour. (その飛行機は時速500マイルで飛んだ。)
⑹ I can work at my own pace. (私は自分のペースで働くことができる。)
包含の前置詞 between, among
含まれる対象を表わす際に用いる前置詞があります。この前置詞は『包含の前置詞』と呼ばれます。含まれる対象の名詞の前に前置詞を置いて、〔前置詞 + 名詞〕という句(語のかたまり)を作ります。
包含の前置詞には、between, amongがあります。
2つのものを包含する場合にはbetween、3つ以上のものを包含する場合にはamongを用いるという一応の区別があります。ただし、個々のものの間の関係が強調されるときには、3つ以上のものについてもbetweenを用います。これに対し、amongは総括的に漠然と包含の意味を表わします。
早速例文で確認してみましょう。
⑴ He was forced to make a choice between his career and his dream. (彼は仕事と夢のどちらを取るか迫られた。)
⑵ There is a close connection between love and hate. (愛と憎しみの間には密接な関係がある。)
⑶ You may choose among these dresses. (これらの服の中から選んでください。)
⑷ He was not popular among the ladies. (彼は女性の間では人気がなかった。)
まとめ
前置詞には様々な機能(用法)があることが理解いただけたかと思います。
前置詞は物事の位置関係を示したり、言葉と言葉の論理的なつながりを示す大事な要素です。
英文解釈の際、前置詞がでてきたら、その前置詞がどのような機能を果たしているのか確実に理解できるように練習することが大切です。
前置詞 on が出てきたら「~の上に」、for がでてきたら「~のために」というような感じで機械的に日本語に訳すのではなく、前置詞がつなぐ言葉と言葉にどのような論理的な関係性があるのかを考えるようにすることを心掛けてください。
このような訓練の繰り返しによって、英語の理解力が各段にネイティブに近づくことは間違いないでしょう!