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疑問を表わす文のことを疑問文といいます。
ちなみに、疑問文ではない通常の文は平叙文(へいじょぶん)といいます。
平叙文は、物事をありのままに述べるのに用いられる文のことをいいます。
日本語の疑問文の作り方
さて、日本語では疑問文を作る際に、文末に終助詞「か」と疑問符「?」を置きます。
【平】明日は晴れです。⇒【疑】明日は晴れですか?
【平】あれが東京スカイツリーです。⇒【疑】あれが東京スカイツリーですか?
非常に簡単な文法ルールで疑問文を作ることができますね。
英語の疑問文の作り方
英語の場合は疑問文を作る際、語順を変化させて疑問文であることを表わします。
語順の変化の対象となるのは助動詞です。
助動詞を文の先頭に置くことで疑問文が作られます。
早速、例文で確認してみましょう。
【平】He must go by himself. (彼は1人で行かなければいけません)
⇒【擬】Must he go by himself? (彼は1人で行かなければいけませんか?)
この例文では、義務(~しなければならない)を表わす助動詞「must」が使われています。平叙文の場合は、動詞の前に助動詞を置きますが、疑問文を作る場合は助動詞を文の先頭に置きます。
進行形の場合
【平】She is suffering from insomnia. (彼女は不眠症にかかっている。)
⇒【疑】Is she suffering from insomnia? (彼女は不眠症にかかっていますか?)
この例文は、進行形〔be + 動詞のing形〕で表現されています。進行形で使われる「be」は助動詞です。したがって、進行形が使われている文を疑問文にする場合は、この助動詞「be」を文の先頭に置きます。
完了形の場合
【平】She has taken the money. (彼女はそのお金を受け取りました。)
⇒【擬】Has she taken the money? (彼女はそのお金を受け取りましたか?)
この例文は、完了形〔have + 動詞の過去分詞形〕で表現されています。完了形で使われる「have」は助動詞です。したがって、完了形が使われている文を疑問文にする場合は、この助動詞「have」を文の先頭に置きます。
受動態の場合
【平】The books were covered with dust. (その本はほこりで覆われていた。)
⇒【擬】Were the books covered with dust? (その本はほこりで覆われていましたか?)
この例文は、受動態〔be + 動詞の過去分詞形〕で表現されています。受動態で使われる「be」は助動詞です。したがって、受動態が使われている文を疑問文にする場合は、この助動詞「be」を文の先頭に置きます。
以上のように、文に助動詞が含まれていれば、その助動詞を文の先頭に置くことで疑問文が作れることが分かったかと思います。
次は、助動詞が文の中に存在しない場合の疑問文の作り方について説明します。
助動詞が文に含まれない場合の疑問文の作り方
助動詞が文の中に存在しない場合は、新しく助動詞を追加して、その助動詞を文の先頭に置いて疑問文を作ります。
この際に追加される助動詞が「do」になります。
例文で確認してみましょう。
【平】They know about it. (彼らはそれについて知っている。)
⇒【疑】Do they know about it? (彼らはそれについて知っていますか?)
この例文では、助動詞が文の中に含まれていないため、そのままでは疑問文を作ることができません。疑問文を作るために、助動詞「do」が追加する必要があります。追加した助動詞「do」の位置については、疑問文を作る場合は助動詞を先頭に置くというルールに従い、文の先頭に置かれます。
【平】He got the job. (彼はその職に就いた?)
⇒【擬】Did he get the job? (彼はその職に就いたのですか?)
この例文も助動詞が文の中に含まれていないため、疑問文を作るためには助動詞「do」を追加し、文の先頭に置く必要があります。(助動詞「do」は主語の人称、数、時制に応じて形を変える為、注意しましょう。)
さて、以上のように文の中に助動詞が含まれない場合には、助動詞「do」を文の先頭に追加すれば良いことが理解できたかと思いますが、文の中に助動詞が含まれないにもかかわらず、この方法に従わない場合があります。
それは動詞の「be」が使われている場合です。
動詞の「be」が使われている場合の疑問文
動詞の「be」が使われている文を疑問文にする際は、助動詞「do」の力を借りません。
助動詞「do」を使わず、動詞の「be」を文の先頭に置くことによって疑問文を作ります。
例文で確認してみましょう。
【平】That is a spaceship. (あれが宇宙船です。)
⇒【擬】Is that a spaceship? (あれが宇宙船ですか?)
動詞の「be」が使われていて助動詞を含まない文は、動詞の「be」を先頭に置いて疑問文を作ります。
<考察>なぜ動詞の「be」は助動詞「do」の力を借りないのか
さて、これまで一貫して助動詞を先頭に置いて疑問文を作るというルールに従い、疑問文を作ってきたわけですが、動詞の「be」のみこれに従わないという例外が生じてしまいました。
この現象について、もう少しくわしく考察したいと思います。
「be」という語は「~である」「存在している」という意味で動詞として使われることがありますが、一方で、進行形や受動態を作る際には助動詞として働き、動詞の前に置くことで進行形や受動態を作る文法的な機能を果たします。
つまり、「be」には動詞として使われる場合と助動詞として使われる場合があるのです。
このことを考慮して、動詞の「be」が使われる文の疑問文について改めて考えると、疑問文を作る際には動詞の「be」が助動詞の働きも兼ね、助動詞の働きを兼ねた動詞の「be」が文の先頭に来ることで、疑問文が作られたと考えることができます。
姿や形はそのままであるけれども、動詞の「be」自身が内に秘めていた助動詞としての機能を発揮し、それによって疑問文を作る際に助動詞「do」の力を借りる必要がなかったと考えることができます。
さて、このように考えると、動詞の「be」が含まれる文についても、助動詞を先頭に置いて疑問文を作るというルールが当てはまり、全ての場合においてこのルールが有効であるといえるかと思います。
それでは、今回学んだことをまとめたいと思います。
まとめ
今回は疑問文の作り方について学びました。
文の中に助動詞が含まれる場合
- 助動詞を文の先頭に置いて疑問文を作る。
文の中に助動詞が含まれない場合
- 助動詞「do」を追加し、追加した「do」を文の先頭に置いて疑問文を作る。
文の中に助動詞が含まれず、動詞の「be」が使われている場合
- 動詞の「be」を文の先頭に置き、疑問文を作る。